人・サラム・HUMAN
「民主主義は体張って守るもの」
仏 ルモンド紙極東特派員・フィリップ・ポンスさん
仏・ルモンド紙の極東特派員のフィリップ・ポンスさん(59)が、7日、在日朝鮮人をめぐる問題を取材するため、朝鮮新報社を訪れた。
同氏の関心は多岐にわたり、日本の各界で活躍するコリアンパワー、開催が迫るW杯への総聯同胞たちの関心の具合、2、3世の民族意識などについて本紙記者に質問を浴びせた。 同氏の日本滞在は約15年に及ぶ。これまで政治、経済、文化、スポーツに及ぶあらゆるジャンルをカバーして、膨大な量の記事を本社に送稿してきた。今、強い関心を寄せているのは「極右が台頭した仏大統領選と偏狭なナショナリズムが席巻する日本の状況」である。 「極右の主張は犯罪は移民のせいであるかのような発言を繰り返し、フランス人のフランスを強調する。日本でもナショナリズムと排外主義がセットになった主張が、政治的不安定さと経済的貧困をあおっている。このようなポピュリズムの台頭は社会に不安と恐怖を醸し出すもので、警戒すべきである」 ポンスさんの日本社会を見る視点は鋭い。グローバリゼーションが地球規模で進み、各地で社会の矛盾を拡大させている。その中でも、人々の良識が極右の野望を打ち砕いた仏と右傾化が進み、有事法制まで準備しつつある日本。その差は何か。答えは明快だった。「フランス革命以来、仏では市民が民主主義を体を張って守ってきた。日本は今からそれを真剣に育てていかなければ」と語った。 「スポーツで同胞の絆深めたい」 在日本朝鮮人大阪府体育協会会長 禹龍漢さん 「昨年大阪では、同胞を対象に年間100回以上のスポーツイベントが開催され、12万人を超す同胞が参加しました」と、在日本朝鮮人大阪府体育協会会長の禹龍漢さん(54)は胸を張る。 現在、大阪体協下にはサッカー、ラグビー、バレーボール、バスケットボール、柔道、ソフトボール、ゴルフ、陸上など12の協会と、2つの連盟、野球団、スキー団、ボクシング団など分野別に10のスポーツ団および200のサークルがある。会員数は3500人。昨年は新たに250人を迎えて、登山協会とゴルフ協会が発足した。その躍進の背景には「大衆スポーツイベントを毎年恒例のものとして定例化し、10年以上も続けてきたことにある」。まさに継続は「力」なのだ。 同胞社会でのスポーツの振興は、「スポーツを通じて同胞同士の絆(きずな)を深めること」などの利点も多いと、禹会長は語る。 |