日本の過去清算・アジアシンポ

謝罪、補償へ実践的対策を


 3、4の両日、平壌で開かれた「日本の過去清算を要求するアジア地域シンポジウム」で採択された国連人権高等弁務官に送る手紙(全文)を以下に紹介する。(朝鮮通信)

 国連人権高等弁務官 メアリー・ロビンソン貴下

 われわれ日本の過去の犯罪とその責任を追及するアジア地域の各団体代表と被害者、法律家、研究者は、朝鮮民主主義人民共和国の首都平壌で日本の過去の清算を求めるアジア地域シンポジウムを行い、貴下にこの手紙を送ることをうれしく思う。

 われわれはまず、世界の人権状況を改善するため積極的に努力している貴下に敬意を表する。

 貴下もご存じのように、国連をはじめ各国際機構で旧日本が行った強制連行と強制労働、性奴隷犯罪など、戦時下における犯罪行為と在日朝鮮人の人権を改善するための問題が正式に論議され始めてからおよそ10年になる。

 この期間に行われた数回にわたる会議では、旧日本軍の行為を重大な反人倫的犯罪行為と規定し、日本当局にその責任を追及し、当該の措置を取ることを求めた。

 このような正義の努力は、日本の過去の清算のため活動している被害者とわれわれにとって大きな希望、鼓舞になった。

 しかし日本当局は、このすべての正しい要求と勧告を一つも受け入れず、そのため被害者の人権と尊厳を回復させる問題はいまだ解決されず、彼らは人生の晩年を苦痛とうっ憤のなかで過ごしている。

 日本当局は一方、国際社会界の強い抗議と糾弾にもかかわらず、歴史わい曲行為と「靖国神社」参拝、「自衛隊」武力の海外派兵のための法制化を強行することにより、犯罪的な過去をまたも再現しようとしている。

 特に日本当局は、最大の被害国である朝鮮民主主義人民共和国に対して何の謝罪と補償もしなかったばかりか、戦後、半世紀以上敵視政策を実施して朝鮮人の極度の怒りを買っている。

 われわれは、国際社会が初歩的な人間性と道徳さえ喪失し、またも軍国主義亡霊をよみがえらせている日本当局の不当な行為を決して容認してはならないと思う。

 われわれは、貴下と国連の権威ある各機構が現日本当局のごう慢かつ犯罪的な行為が招く重大な結果について慎重な注目を払い、日本政府が一日も早く過去の戦時犯罪について公式に謝罪し、国家的な補償措置を取るよう強くて実践的な対策を取るべきであると認めつつ、次のように要請する。

 @国連人権高等弁務官事務所にすでに提起された報告と勧告、決議に基づいて日本の戦時犯罪を追及し、被害者の名誉と尊厳を回復させる問題を専門的に取り扱う分科を別に設けAアジアの各地域で旧日本による被害状況と日本に保管されている一切の過去に関する文書・資料を調査、掌握するための調査団を組織してその活動を保障しB貴下と国連の責任的な地位にあるメンバーが日本政府の総理と直接会って旧日本の反人倫的犯罪行為に関する国連の当該機構の勧告と決議に真しに臨み、早急に履行するよう働きかけることを丁重に提議する。

 われわれは、日本の過去の清算を求めて今後も、努力の限りを尽くしていく確固たる決意を再確認しつつ、貴下と人権擁護のための国連の各機構が日本の過去の犯罪を追及する正義の活動を引き続き繰り広げるものとの期待を表明する。

 敬意を表しつつ。

 「日本の過去の清算を求めるアジア地域シンポジウム参加者一同」

 2002年5月4日 平壌

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