取材ノート
時代は変わっても
タンクトップにカーディガンをはおり、七分丈のパンツにミュール、髪を茶色に染めた、今どきの女子大生が数人集まって何やら話し込んでいる。
合コンか夏の海外旅行の相談でもしているのだろうと思いきや、さにあらず。今年3月にできたばかりの留学同中・四国本部中国地域の支部委員たちの集いなのだ。 4月25日に行われた集いの議題は、3日後に行われる新入生歓迎コンパの最後の詰め。ファッションも今風なら、会議の進行も今風。名簿を見ながら、参加状況の確認を、携帯電話を使って行っていく。 電話が通じなければメールを送り、返信を待つ。集いの最中にも携帯のベルがなり、参加・不参加がすぐに分かるといった具合である。 その場を取材しながら、こちらは感心するばかりだ。なにしろ20年ほど前に学生時代を送った身である。あの頃は自宅に電話をかけるしか手段がなく、しかも学業やアルバイトやらで、なかなかつかまらない。中には下宿に電話がない人もいて、住所を頼りにアパートを探すこともしばしばだった。 隔世の感は否めないが、昔も今も変わらない点が1つある。日本社会に埋もれている同胞学生を少しでも多く探し出して、仲間としてともに歩んで行きたいという思いだ。留学同はそのための団体なのだと思う。 中・四国とひと言で言っても、その範囲は山口から岡山までの中国地方5県、そして四国4県におよぶ。例えば、山口と岡山で学生生活を送るトンム同士が落ち合うには、新幹線を使うしかない。 そんな悪条件をものともせず、鳥取、愛媛などから人が集まってくるのも、みんなが仲間という思いがあるからだろう。 時代が変わり、手段や方法が変わっても、人の気持ちを動かすのは、結局は情熱と友情であることを、改めて感じる。(聖) |