「ヒト下垂体腺腫におけるＴＲＨ受容体遺伝子発現に関する検討」について
| 下垂体というホルモンの中枢にできる腫瘍（下垂体腺腫）は、元来からの腫瘍という性質（どんどん大きくなる）に加え、ホルモンを異常に産生し、巨人症など、さまざまな症状をもたらすことが知られている。腫瘍を詳しく調べるとたくさんのホルモンが作られているが、それらが互いに影響し合い腫瘍の増大やホルモンの分泌などに影響していることが予想されている。
しかし、そのほとんどはまだまだ不明のままだ。そのホルモンやホルモンが作用するための受容体の機能や発現意味、調節機構などを研究し、明らかにすることによって、①腫瘍に対する新しい治療を開発できる可能性があり②生理的なホルモン分泌の機構を明らかにできる可能性がある――と考えられ世界中で盛んに研究がされている。論文はその中でも、元来、甲状腺の分泌を調節している中枢ホルモンが成長ホルモンの分泌を促進する場合があり、その原因を明らかにすることを目的として、下垂体腺腫におけるホルモン遺伝子発現やその調節機構について行った研究である。 |
