在日同胞、市内の至る所に売店
「アリラン」成功に大きく貢献
4月29日から平壌のメーデースタジアムで幕を開けたマスゲームと芸術公演「アリラン」。この間、世界各国から来た代表団や観光客を魅了してきた。公演に対する観光客の反応は上々で、「もう一度見たい」という声も後をたたない。一方で、公演の成功を陰から支える売店も好評を博している。売店では女性同盟や朝青などの在日同胞らも働いており、観光客らの人気を集めている。
「オリジナリティー」を売りに
「アリラン」公演が始まって以来、平壌市内の至る所にはきれいに飾られた売店が立ち並んでいる。売店は連日、「アリラン」を見にきた観光客や海外同胞、平壌市民たちでにぎわっている。これらの売店は朝鮮のホテルや食堂、さまざまな機関や団体が出店しているものだが、女性同盟、朝青を中心とした総聯の同胞らも少なからぬ貢献をしている。 総聯の同胞らは高麗ホテル、平壌ホテル、平壌体育館、青春通り、そしてメーデースタジアムなどの前に売店を出し営業している。彼らの売店には食事ができるようイスとテーブルを設けたスペースがあり、トックやおでん、ピザ、フライドチキン、ヤキソバ、チヂム、牛肉の炒めものなど豊富なメニューと共に、アルコール類や各種ドリンクを取り揃えている。 今回総聯同胞が掲げた目標は、「オリジナリティー」と「世界レベル」という2つ。女性同盟のオモニたちは自慢の腕をふるって家庭料理や創作料理を作り、各国から来る観光客を喜ばせようとメニュー開発に余念がない。そのためそれぞれの売店では毎日のように新メニューが登場している。 「アリラン」公演を陰から支え必ず成功させようという彼らの意気込みには目を見張るものがある。 「初めてのことなので正直言って不安も多いけど、やるからにはしっかりとやりたい。『アリラン』の成功に向けて在日同胞は特色のある寄与をしていこうと思います」と話すのは、女性同盟千葉県本部のチュ・ヨンジャ副委員長(47)。朝青のメンバーは今年朝大や朝高を卒業したばかりの青年らが主力だ。東京から来たパク・サンミンさん(23)は、「この期間多くの観光客が朝鮮に来ているが彼らの反響はとてもいい。平壌は活気にあふれているし、これからも若い力で一生懸命頑張りたい」と語ってくれた。 一方、平壌市内にあるサービス関係の大学で学ぶ学生らも今回、総聯の同胞らと一緒に売店で働いている。平壌ホテルの前にある売店で働いているキム・キョンリムさん(21)は、平壌商業大学の5年生だ。今回生まれて初めて現場で働いたというキムさんは、毎日悪戦苦闘しながらも充実した日々を送っている。 「『アリラン』を通じて朝鮮の本当の姿を世界各国の人が見ることでしょう。総聯の同胞らと1つになって、ありったけの力でやっていきます」と話していた。 好評博す公演 マスゲームと芸術公演「アリラン」は、開演当初から観客から絶賛されている。「アリラン」は座る位置や見る角度によって作品のイメージがかなり違う。前の席では出演者の表情や芸術的なテクニックを堪能できるし、上の席からは表さんとする全体像を見ることができる。言い換えれば前では芸術を、後ろからはマスゲームを楽しめるというわけだ。 例えば4章のシーンでは、前からだと数百人の出演者が出会いの喜びを表現する表情をよく見ることができる。後ろの席からは表情は見えないものの、出演者たちが朝鮮半島を描いていることが手に取るようにわかる。海外観光客用の席からは一応、両方を楽しむことができるがやはりいっぺんにすべてを見るのは難しい。事実、「アリラン」公演をもう1度見たいという申請が後をたたないそうで、背景台やグラウンド、空中で行われるすべてのものを見るためには「目が6つ必要だ」という声が至る所で聞かれる。 開演前から「見なければ一生後悔する」と宣伝されてきた「アリラン」。公演自体の素晴らしさや、充実したサービスなどが好評を博していることから6月末まで平壌は観光客でにぎわいそうだ。 |