それぞれの四季

朝鮮学校 or 日本学校?

ウォン・ジョンヒ


 子供を朝鮮学校、日本学校どちらに入れるのかを悩んでいる友人がいる。一口に日本学校、朝鮮学校といっても、どこでもいつでも同じってわけじゃない。親の価値観によって、長所、短所の見方もそれぞれだ。

 小学校の間は朝鮮学校で民族心を養い、その後は日本社会で苦労しないよう日本学校に、という同胞も少なくない。経済力などの諸事情による選択もある。また、新たに「ゆとり」教育なるものもいっそうの混乱と不安をあおっている。

 で、私としては、できる限り民族教育を受けさせたい。小中高は両親が選択した朝鮮学校に通い、朝鮮大学校進学は自分で決めた。1番の理由は、地元だけでなく、いろんな在日と出会いたいということだった。

 受験戦争や偏差値とはまったく無縁だった。試験期間中に勉強のできる子が遅れている子に教えるのを当然だと思っていた。教える側の子が、理解してもらえないことに自信を喪失して、トイレで泣いたこともあった。今となっては懐かしい笑い話だが、当時は「なぜ彼はわからないのか、私たちはなぜわかったのか」と真剣に話し合ったりもした。

 もし自分に子供ができたら、彼(彼女)らにも、ぜひそのような環境、友人の中で、じっくりと民族心を育んでいって欲しいと思う。

 大概の知識や情報は、クリック1つで即座に示され補うことができるが、それらのツールや媒体がどんなに進化したとしても、心は養ってくれない。

 以上が、子を持った経験のない、私の現時点での見解である。
(医療生活協同組合職員)

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