朝鮮サッカーの発展を支援

初の訪朝 ブラッターFIFA会長に聞く


 【平壌発=金志永、李相英記者】ジョセフ・S・ブラッター会長を団長とする国際サッカー連盟(FIFA)代表団が6日から1泊2日の日程で訪朝した。代表団一行は滞在期間、最高人民会議常任委員会の金永南委員長と会見したほか、体育指導委員会の朴明哲委員長、張雄副委員長(国際オリンピック委員会委員)、朝鮮サッカー協会委員長の李光根貿易相と会談した。大マスゲームと芸術公演「アリラン」観覧のため6日にメーデースタジアムを訪れたブラッター会長に、FIFAと朝鮮サッカー協会との協力関係発展のための考えなどについて聞いた。

W杯前、目的達成

 ―朝鮮側とはどんな問題を協議したのか。

 われわれは今回、朝鮮サッカー協会の招待で訪朝したが、サッカー関係者だけでなく高位級の政治家らとも会見した。27年間FIFAにいて、訪朝は初めて。私にとって、ワールドカップ開始前の訪朝はとても重要な仕事だったが、目的を達成できた。

大マスゲーム・芸術公演「アリラン」を観覧するブラッター会長

 朝鮮の各界人士との会談はたいへん意義深いものだった。私は彼らと会い、まず昨年のアジア女子サッカー選手権大会での優勝、男子サッカーチームのタイキングスカップ優勝、9月に開かれる19歳以下世界女子サッカー選手権大会の朝鮮チームの予選通過を祝福した。

 われわれは会談で、朝鮮のサッカー発展と関連した諸般の問題について討議。FIFAが朝鮮サッカー界の未来のためにどんな手助けができるかを確認できたことは大きな成果だ。

 われわれは朝鮮のサッカー発展のために、FIFAの「ゴールプロジェクト(Goal Project)」を推進することで合意した。これによって、朝鮮サッカー協会の要望に応じた支援を行うことができるようになる。

 われわれはすでに朝鮮側の要望を了解済みだ。それに従って専門技術者集団が昨年10〜11月に朝鮮に滞在し、昨年冬に欧州で行われた国家チームの合宿を援助した。

 われわれの支援には、監督、審判員、審判指導員の派遣および養成、競技場に人工芝を張ることなども含まれる。今回、われわれは金日成競技場を人工芝にする計画について説明した。

政治家の観点確認

 ―朝鮮のサッカー界の現況について。

 女子サッカーチームの目を見張る活躍に注目している。昨年のアジア女子サッカー選手権で朝鮮が優勝した時には、誰よりも早くお祝いの手紙を送った。彼女たちは最高のチームだ。

 来年、中国で女子サッカーワールドカップが開かれるが、朝鮮チームが実力を存分に発揮する大舞台となろう。

 女子サッカーチームの活躍は男子チームの意欲をかき立てる刺激剤にもなると思う。男子も着実に実力を養ってきている。

 ―初めての訪朝だったが。

 われわれ一行を招待してくれたことに本当に感謝している。訪問期間は短かったが、朝鮮側はわれわれを歓待してくれた。

 金永南委員長との会見では、朝鮮の政治家がサッカーについてどのような観点を持っているかを確認できた。

 金正日総書記の指導力に関する話も聞いた。私は総書記がサッカー界の発展に大きな関心を持っていることをうれしく思う。

W杯開幕式に招待

 ―今後、朝鮮サッカー界との協力関係をどのように発展させるつもりか。

 われわれは、朝鮮のサッカー強化のために朝鮮側と親密な関係を持てるよう希望している。

 1966年に英国で開かれたワールドカップで大旋風を起こした朝鮮チームのプレイはよく知っている。朝鮮のサッカーがその時の水準と実力を回復できるよう、朝鮮側と協力していく。

 FIFAは朝鮮のサッカー協会に招待状を送り、FIFAが主催する競技に参加できるよう組織活動を行っている。今回のワールドカップの開幕式と開幕試合(フランス対セネガル)に関係者を招請している。

 FIFAは過去4年間に朝鮮のサッカー発展のための事業に100万ドルを支出した。こうした財政的支援は今後4年間、続けられる。

 われわれの協力関係は良好に発展していくだろう。朝鮮のサッカー関係者がFIFAの活動を助け、会長としての私の活動を積極的に後押ししてくれていることに感謝している。

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