「悪の枢軸」立証しようとする企図
朝鮮中央通信、米の「テロ年次報告」を論評
米国務省は、5月21日に発表した「テロに関する年次報告書」で朝鮮をふたたび「テロ支援国」に指定した。
米国は「年次報告書」で、「北朝鮮がテロリズムに対処しないのは問題」であるとして「問題材料」を新たにねつ造し、われわれに「テロ支援国」のレッテルをはりつけた。 これは朝鮮の国際的イメージを損ね、われわれを孤立させ、圧殺しようとする愚かな術策にすぎない。 積極的に取り組む 朝鮮は、世界の平和と安定、民族的独立と自主権の尊重、社会的正義と人道的理念に背くテロに反対して全力を尽くしている。 国連加盟国として、あらゆる形態のテロとそれに対するいかなる支援にも反対し、国際的な安定を維持しようとするのは朝鮮政府のゆるぎない立場である。 われわれは、「9.11事件」以降だけでもテロ反対の原則的立場から「テロ資金供与防止国際協約」と「人質反対国際協約」に署名、加入し、国連をはじめ各国際機関との緊密な協力など、国際テロ行為根絶のための国際社会の取り組みに積極的に参加している。 2001年12月26日、われわれは対テロ戦と関連して、国連安全保障理事会に必要と見られる法律的・行政的措置を講じた状況などを通報した。 これらすべては、米国が今回持ち出した「問題材料」とは完全なねつ造品であり、時代遅れの今一つの対朝鮮敵視政策の所産であることを示している。 原則的かつ一貫 米国が事実をねじ曲げ、テロリズムに対処していないとして、「テロ支援国」であるとわれわれに言い掛かりをつける裏には、世界的な糾弾の対象となっているブッシュの「悪の枢軸」発言の「当為性」を自分なりに「立証」しようとする愚かな企図が隠されている。 最近、米国防長官のラムズフェルドが「北朝鮮は大量破壊兵器をテロリストに供与している」などの荒唐無けいなねつ造説を並べ立てたのも、みなそうした目的から発したもので、愚の骨頂である。 米国が朝鮮を「テロ支援国」リストから削除する政治的意志を示した朝米共同声明を白紙に戻し、途方もなく「テロ」のレッテルを依然としてはりつけながら、さしでがましくもわれわれとの「反テロ協力」をうんぬんすること自体が道理に合わない。 これまでわれわれが反テロに関連した措置を講じたのは、米国との協力そのもののためではなく、われわれの原則的かつ一貫した反テロの立場から発したものである。 対話意思を疑う 米国がわれわれを「テロ支援国」として中傷し、敵視政策を追求する以上、彼らとのテロ問題に関する協力などはありえない。 米国が、対話相手のわれわれに「テロ支援国」のレッテルをはりつけている事実を前にして、われわれは米国の対話意志を疑わざるをえない。 国際テロの元凶である米国が、誰も認めない「テロ裁判官」になって他国を中傷すれば、世界の嘲(ちょう)笑と非難を招くだけである。(朝鮮通信、中見出しは編集部) |