南北交易に肯定的見解
KDI調査 企業、専門家対象に
「韓国開発研究院」(KDI)は5月13日から17日にわたって南北交易の展望について、107の南北交易業者と41人の経済・協力関連専門家を対象にアンケート調査を実施した。その結果について分析したインターネットサイト「統一ニュース」の3日付記事を紹介する。
◇ ◇ アンケート調査の結果、現状を100とし最上200、最悪を0に設定した場合、企業は平均124.3、専門家は同123.2という数値を割り出した。 昨年下半期の第1回調査時(11月実施)よりも多少ポイントを上げており、現場の実務者たちが今後の対北事業の拡大および経済協力に肯定的な展望を抱いている、と推測できる。 またアンケート回答者の絶対多数が、南北経済協力に対する北の態度が肯定的に変化する、あるいは現状を維持するとの見解を示した。 南北交易を行う理由およびその効果については、企業の場合、43.9%が市場占有という長期的な眼目を抱いており、34.6%が経済的利益の確保をその理由に上げている。 しかし現在、対北事業を通じて利益を生んでいると答えた企業は44.9%で、全体の半分にも満たない。業種別では、委託加工が単純交易(主に加工度の低い1次産品)より相対的に大きな利益を生んでいる。 対北交易の利点については、関税の免税という行政的な恩恵(53.3%)を最も大きな利点に上げており、以下、委託加工における良質の労働力、共通の言語活用などもその利点として上げられている。 上半期の交易品は、農水産物などの1次産品(56.1%)が最も多く、以下、繊維類(20.6%)、電気・電子製品(8.4%)の順となっている。このうち、1次産品を扱う企業は、総輸出額が30億ウォン(100ウォン=10.25円)未満、対北事業の売上額が7億ウォン未満の小規模企業が主に参与していることがわかった。 交易時の主要運送方法としては、南北間の海上運送(59.8%)が最も多く、中国経由の海上運送(32.7%)もかなりの企業が利用している。委託加工企業の場合、81.3%が南北航路を利用している。 北の契約当事者との接触については、第3者(代理人)を通じた連絡(45.8%)が最も多いが、第3国(中国あるいは日本)でも接触(30.8%)あるいは電話、ファクスによる連絡(13.1%)もかなりのウエートを占めている。 ◇ ◇ また、注目される調査内容として、南北間の鉄道、道路の連結事業に関わる企業の88.7%が、直接・間接的に肯定的な影響を及ぼすだろうとの見解を抱いている。 一方、対北交易製品の運送時、その費用が高いとの見解(42.1%)があるほか、納期の遅延、輸送期間の長期化、製品の安定性保証問題に対する意見も指摘されている。 商品の評価は、普通が38.3%、とても優秀・優秀が28%、期待以下・不足が29.9%というように、ばらばらだ。 契約不履行時の対処方法としては、抗議(36.4%)あるいは紛争回避(28%)という消極的な対応が多く、交易の中断(9.3%)、制裁措置(16.8%)などの強硬策は極力、避けているようだ。 ほかにも、交易活性化のための政府の対策としては、企業の場合、手続きの簡素化(37.4%)を最も多く求めており、続いて南北協力基金などの補助支援の拡大(30.8%)、関連法の補完(14%)などを上げている。 専門家の場合、法の補完(41.5%)、手続きの簡素化(14.6%)を上げ企業との違いを示したが、長・短期的な制度の整備が必要という面では認識を共にしていることがわかった。 |