取材ノート
定住外国人ボランティア
「朝大生と一緒に『アリラン』『われらの願い』を歌えて感動した。彼らに会えて本当にうれしかった」
埼玉で行われた、定住外国人のボランティア活動に参加していた南の留学生の言葉だ。 留学生のほとんどが朝大生に会うのは初めてということもあり、最初はぎこちなかったものの、朝大生の積極的なアプローチで、次第に打ち解けていった。彼らは一緒に通訳などのボランティアを行い、いろいろな話をするうちに親しくなり、別れる時にはメールアドレスを交換し、涙を流しながら再会を約束していた。 6.15の前には想像もできなかったことだ。 共同宣言発表後、北と南はもちろん、日本各地でも総聯と民団、南との交流が盛んになっている。 離散家族・親せきの相互訪問や、総聯同胞故郷訪問団といった象徴的なものから、総聯と民団の合同行事など数え上げればきりがない。しかし、朝鮮の統一情勢は米国や南にいる反統一勢力の妨害により、予断を許さない。 そんな中で今回のようないわゆる「普通」の留学生と朝大生が交流したことの意義は大きい。ある留学生は、「機会があったら朝大を訪ねてみたい。私たちのこうした交流こそ小さいながらも統一だと思う」と感慨深げに話した。 折しも6.15共同宣言の発表2周年を迎えようとしている。北はもちろんのことながら、南では民族大祭典を成功させるため、多くの市民団体が記者会見を開き、すべての統一運動団体の祭典への参加を許可するよう政府に強く求めるなど、統一に貢献しようとさまざまな取り組みがなされている。 朝大生と留学生が肩を組んで歌う姿を見ながら、統一の気運は草の根レベルでも着実に広がっていることを実感しつつ、今後もさまざまな交流ができるであろう学生たちがうらやましく思えた。(松) |