みんなの健康Q&A
縁内障(上)−症状と原因
ドック、検診など初期段階で早期治療
Q:緑内障とはどんな病気ですか?
A:何らかの原因で視神経が傷害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。 Q:緑内障は珍しい病気ですか? A:日本における最近の疫学調査において40歳以上の人口のうち約30人に1人の頻度であることがわかっています。 Q:緑内障は失明する病気と聞きましたが、必ず失明するのですか? A:以前は確かに診断されると失明にいたる場合が多かったです。なぜならば、特別な状態を除けば痛みもなく病気が中期以降にならなければ見え方の異常を感じないからです。 しかし、生活が豊かになり自分の健康に気遣うようになった現在、ドックや検診などで初期の段階で発見されることより、失明率が減少してきてますが、世界的にも失明原因の上位に位置していることにはかわりありません。初期の段階で加療を行えば、進行しないか進行速度が遅くなり、不自由なく生活ができますのでドックや検診をお勧めします。 Q:緑内障の原因は何ですか? A:原発性(目の構造上の問題による)と続発性(他の病気に起因する)があります。 原発性において、以前は高眼圧が原因と言われていましたが、現在では、正常眼圧緑内障が全体の約6割を占めており、眼圧以外の原因研究が盛んになってきております。知られている原因は、循環障害を起こす疾患(高血圧、糖尿病、低血圧)や偏頭痛、末梢血管病変、タイプによっては遺伝します。その他の原因研究が今後の課題です。 Q:眼圧とは何ですか? A:眼の硬さ(内側から外側にかかる圧力)です。正常値は10〜21ミリHgです。 毛様体より房水(眼の中の栄養水)がつくられ眼の中を循環し、線維柱帯やぶどう膜―強膜流出路から目の外に排出され一定の眼圧を保ちます。産生と排出のバランスがくずれると眼圧の異常を来します。眼圧が21ミリHg以上あっても緑内障になる場合とならない場合(高眼圧症)があります。 Q:原発性緑内障はどんなものですか? A:眼の形から2種類に分けられます。 隅角が狭い(閉塞隅角緑内障)と広い(開放隅角緑内障)タイプです。閉塞隅角緑内障には急性と慢性がありますが、両者とも眼圧は上がります。開放隅角緑内障には正常眼圧と高眼圧の場合があります。 Q:続発性緑内障はどのようなものですか。 A:眼の病気や内科疾患により引き起こされる緑内障です。糖尿病、高血圧による眼底出血後の新生血管緑内障やステロイドホルモン使用後の緑内障などが含まれます。 Q:自覚症状はありますか? A:閉塞隅角緑内障の急性発作の場合、かなり厳しい頭痛、吐き気、おう吐、視力障害がありますが、他のタイプでは無自覚のことが多いです。時々、眼精疲労や虹輪視(電灯を見ると色の輪が周りに見える)を、中期からは視野異常を自覚します。 急性発作は夜間に多く眠れぬまま朝の診断に訪れますが、発作後8時間以降の加療は予後不良となりますので、上記症状の場合眼科救急受診をお勧めします。 Q:緑内障は大人だけの病気ですか? A:いいえ、残念ながら子供にも発症します。先天性のものや、先天奇形によるもの、未熟児網膜症によるものや網膜腫瘍によるものがあります。先天性緑内障は牛眼と言われ、大きな黒目が特徴(白目がほとんど見えない)でぱっちりとしたかわいい眼は要注意! (中野総合病院 高英美眼科部長 東京都中野区中央4―59―16、TEL 03・3382・1231) |