6.15共同宣言から2年
民族自主こそ統一への道
北南、海外で確認
対決から和解、団結へ
国と民族が引き裂かれてから55年ぶりに、初めて実現した北南両首脳による平壌対面と会談を経て、民族の和解と団結、国の統一を成し遂げる道を切り開くための6.15共同宣言が発表された。それから2年、北南間では共同宣言を履行するための閣僚級会談をはじめ、赤十字会談や経済協力推進委員会会議、分断史上初の国防相会談などが開かれた。また当局と政党、団体、各界各層人士による幅広い往来と接触が実現し、総聯同胞故郷訪問団も7回にわたって実施された。これらの事実は、対決状態にあった北南関係が和解と団結へと転換しつつあることを示している。つまり、共同宣言が大きな生命力、生活力を持っていることを示すものだ。この間の北南関係を振り返って見た。(羅基哲記者)
国際的な支持も 対決状態にあった北南関係が、統一というひとつの目標に向かって共に足並みを揃えて歩むようになったのは、共同宣言の第1条項でうたわれているように、「国の統一問題をその主人であるわが民族同士が力を合わせて自主的に解決する」ことに双方が努めてきたからだ。 その結果、従来では想像すらできなかった北南の当局、民間レベルでの対話と交流が実現し、経済、言論、芸術、スポーツなどの分野での協力が進んだ。 つまりこの2年間は、民族自主の立場を堅持し、6.15共同宣言を履行する道こそ、国の統一を早められる道であることを、北と南、海外すべての朝鮮民族が確認した2年間だといえる。 ちなみに第55回国連総会(2000年10月)では、共同宣言を支持し、その履行を促す北南共同決議「朝鮮半島の平和と安全、統一」が満場一致で採択されるなど、共同宣言は国際的な支持も受けている。 当局、民間で経済協力 とりわけ、民族経済を均衡的に発展させていく(共同宣言第4条項)分野での協力が進んでいる。
当局レベルでは、交流と協力を円滑に行うための機構、経済協力推進委が設置され、電力協力をはじめ、東海線の鉄道および道路、新義州―ソウル間の鉄道および開城―汶山間の道路の連結、臨津江水害防止、金剛山観光の活性化などについての協議も行われた。
また投資保護、2重課税防止、商取引紛争解決の手続き、精算決済の4項目の合意書を採択。民間レベルの交流と協力を制度的に保証していく土台も築いた。 その民間レベルの交流と協力だが、南の三星グループは朝鮮アジア太平洋平和委と共催で統一卓球競技大会(2000年7月、平壌)を催し、金剛山観光を進める現代は、北側と開城工業地区建設について合意を見た。 こうした中、北南間の交易は99年約3億ドルだったのが、一昨年と昨年はそれぞれ約4億ドルに成長。例えば今年上半期、対北交易品は、農水産物などの1次産品(56.1%)が最も多く、以下、繊維類(20.6%)、電気・電子製品(8.4%)の順となっている。 北南経済協力は共同宣言に基づき、当局、民間レベルで共に新たな段階で進んでいると言えよう。 対北政策再検討、「悪の枢軸」発言 ブレーキかける米、追随する李会昌ら保守勢力 共同宣言の発表により、民族の和解と団結、国の統一を志向して北と南が共に進む道が明らかにされたが、反面、とくに昨年の秋(ニューヨークでの9.11事件)以降、共同宣言の履行にブレーキをかけようとする米国と一部反統一勢力の動きが目につく。 ブッシュ米政権は、2000年10月の国交樹立などを明記した朝米共同コミュニケの白紙化を表明する「対北政策の再検討」に着手、「悪の枢軸」発言に見られるように「テロとの全面戦争」に北を巻き込もうと強硬姿勢に転じ、北南関係を後退させようとしている。 その結果、共同宣言を履行するための閣僚級会談は昨年11月の第6回会談以降中断。今年4月、一時凍結していた北南関係を全面的に改善、発展させようとの共同報道文が発表されたものの、米国を訪れた南の外交通商部長官が「(米国の)強硬策が、時によっては北を前進させるのに効果を発揮する」と発言。これにより、北南経済協力推進委第2回会議などが中断した。 また、ハンナラ党の大統領候補・李会昌に至ってはブッシュ政権に歩調を合わせ、共同宣言そのものを棚上げ、無効にしようと「北敵視」の姿勢をあらわにしている。 共同宣言発表後、約1万8000人の北南往来があったにもかかわらず、南では引き続き北を「主敵」と見なし、接触と交流を妨げる「国家保安法」が残っている。保安法について言えば、北南首脳会談時、南側はその撤廃をほのめかしていた問題でもある。 こうした中、共同宣言発表2周年を記念して14〜15の両日、金剛山で民族統一大祝祭が開催される。その間、北南関係はう余曲折を経たものの、改めて民族同士、力を合わせて統一を成し遂げようとする北と南、海外同胞らの意志が全世界に示されることになる。 民族自主の精神に基づき共同宣言が改めて履行されるようになれば、北南関係は新たな局面を迎えることになるだろう。 |