「主席の思いかなえたい」
朝鮮親善勲章受けた三木睦子さん
日朝国交促進国民協会副会長の三木睦子さんに7日、朝鮮民主主義人民共和国親善勲章第1級が、平壌の万寿台議事堂で授与された。日本の女性では、田中寿美子さん、山下正子さん、清水澄子さんに次いで4人目。三木さんは、このほど平壌で大マスゲーム「アリラン」の公演などを観覧して、帰国したばかり。
三木さんは84歳。南北統一を支援する「アジアの平和と女性の役割」シンポの呼びかけ人のほか、日本軍性奴隷制の被害者たちへの国家賠償を求めるなど活動は多彩。また国連婦人会会長、アジア婦人友好会会長などの重責を担い、政財界に知己も多い。誕生日にあわせて昨夏、「毎日あきれることばかり」(アートン刊行)も出版した。 「怒りだすと私はキリがなくて、親戚のものが私を『大久保彦子』さんと呼ぶのですが(笑)…」と語るほど、政治、社会問題に警鐘を鳴らし続けている。とりわけ、朝鮮の統一問題については深い関心を寄せ、献身してきた。92年に続き、94年、金日成主席逝去直前に主席と会った。「南北の和平は建国以来の念願です。だから手伝ってくださってほんとうにうれしい。ありがとう」と言った主席の言葉が耳を離れない、と語る。その言葉を心に刻んで三木さんは、信義と誠意を尽くして朝鮮の統一と日朝の国交正常化に尽力してきた。 一昨年には、朝鮮の刺繍と日本の染めの技術を融合したデザインを手掛けて、「新作きもの展」を開くなど、伝統文化に深い素養を持つ三木さんならではの「スーパーレディー」ぶりで交流史に華やかな足跡を残した。 三木さんは99年、国旗・国家法が成立した直後、このことに不快感をあらわにしながら「私は決してそんなに小言ばかり言いたいわけではありません。でも何かにつけてむらむらと怒りが起きてきて、ついつい言ってしまうのですが、ほんとうは、穏やかなやさしい、縁側でネコを抱いていられるような私になりたい」と笑顔で語っていた。有事法制で戦争態勢の早期確立を狙う日本の政治状況は、三木さんに当分穏やかな日常をもたらしてくれそうもない。(朴日粉記者) |