今年上半期(1〜6月)の朝ロ関係
交流・協力多岐にわたり深まる
今年に入り、朝鮮とロシアの友好・協力関係がより一層深まっている。上半期中、金正日総書記は駐朝ロシア大使館を2回にわたり訪問。平壌を訪れたロシアのプリコフスキー極東連邦管区大統領全権大使をはじめとする、4代表団と会見をした。金正日総書記がロシア大使館を2回も訪れるということは、昨年や一昨年はもちろん、これまでになかった事で異例のことといえる。
活発な経済分野 朝ロ関係の進展が、金正日総書記とプーチン大統領両首脳により直接進められている事は周知の事実だ。プーチン大統領は2000年7月、金正日総書記は昨年8月に平壌とモスクワをそれぞれ訪問し、朝ロ共同宣言の発表など両国の関係強化を世界にアピールした。
5月21日、イワノフ外相は朝鮮の外務省一行のための宴会の席上、2000年7月と2001年8月の両国首脳の出会いは、ロ朝関係の発展を推し進めるうえで意義深いものであると指摘。
また、2月に訪朝したプリコフスキーロシア極東連邦管区大統領全権大使も、金正日総書記とプーチン大統領が2度にわたって会い親交を深めたことで、ロ朝関係は現状にあった新たな段階に入ったと述べるなど、両国間の新たな関係を築くうえでの両首脳の出会いが持つ意味を強調している。 両国の交流は、政治、経済、軍事、農業、文化など多岐にわたっている。カルロフ駐朝ロシア大使は6日、国慶節に際して催した宴会で、両国間の政治、経済などすべての分野での友好と協力は、白南淳外相の今回のロシア訪問によってより強化されたと述べた。また、ロシアと朝鮮の外相がサインした2003―04年外務省間の交流計画書は、ロ朝間の協力と接触を発展させる法律的土台になると述べながら、両国外務省は今回合意された問題を実行するため積極的に努力しなければならないと指摘した。
これに対し白南淳外相は、今回の訪問は朝ロ関係の発展を推し進める契機になったと述べながら、相互の関心事となる問題について意見を交わし見解の一致を見たと話した。 2000年7月19日に発表された朝ロ共同宣言でも謳われているように、両国の友好・親善関係の発展は、平等で互恵的な関係を創り出そうという世界的なすう勢に沿ったものだ。また、鉄道連結事業などは北と南の鉄道連結を前提としており、朝ロの関係強化は北と南の関係進展にも貢献する。 今後、さらに強化 両国の関係強化は一方で、世界の一極支配を目論む米国がMD(ミサイル防衛)樹立を強行すると共に、昨年の「9.11テロ事件」を契機に、独善的な戦争政策を強めている中で進められており、ブッシュ政権の横暴にブレーキをかけ朝鮮半島の安全と平和を守るうえでも多大な意義を持っている。 ブッシュ政権は今年に入り、朝鮮をはじめとする国々を「悪の枢軸」などと冒涜(ぼうとく)する一方で、朝鮮とロシア、中国をはじめとする7カ国に対し、「核による先制攻撃も辞さない」という強硬姿勢を貫いている。 こうした情勢の中、朝鮮では12日のロシア国慶節に際し、複雑な情勢にともなったロシアの自主的な国防力強化政策を詳細に報道した。金正日総書記もプーチン大統領に祝電を送り、両国の友好・協力関係および政治、経済、文化など多方面での交流強化の意思を表明した。今年の下半期には、金正日総書記のロシア極東訪問の可能性を指摘する向きもある。(李松鶴記者) |