同胞のニーズに素早く対応

「焼肉フェスタ2002」中央事務局・朴日宇さんに聞く


 4月27日から5月30日まで、1都11県で開催された「焼肉フェスタ2002」。BSE(いわゆる狂牛病)問題で打撃を受けた約1000の同胞参加店からは、「今後も続けてほしい」との声が上がっている。この間フェスタを支えてきた、同中央事務局の朴日宇さん(30、商工連商工部指導員)に話を聞いた。

―今回のイベントの目的は。

 焼肉業界全体のイメージアップ、具体的にはイベントに参加した各店舗の認知度を高め、集客力をアップすることだった。

 今回のイベントは昨年9月初、神奈川県商工会が東京都商工会に提案したもの。しかし、その直後にBSE問題が発生し、10月になるとその悪影響が焼肉業界全体に急速に広まった。

 こうした状況下、イベントの規模を拡大し多くの店舗に参加を呼びかけスケールメリットを大きくし、BSE問題に立ち向かおうと思った。

―効果はあったのか。

4月29日池袋サンシャイン通りの一角で行われた告知イベント

 先日、あるテレビ番組のアンケート調査で、BSE以後、牛肉を控えたという人が6〜7割いた。また、現在でも3割の人が牛肉を控えているようで、この数字はそのまま各店の客足に影響している。

 イベントの準備期間は、消費者が牛肉を控えていた時期で、客足を引き戻すという点で意義はあったと思う。

 売上や客足にどう影響したかは、現時点では具体的な数字があがってきていないのでわからないが、イメージアップのためのツールとしては十分に役立ったと思う。

―イベントをやってよかったと思う点は。

 まず言えるのは、ほとんどの参加店から好評を博したことだ。「店の経営を見直すきっかけになった。スクラッチや応募券を出すタイミングを考えたり、商品を決める過程そのものが従業員教育にもなった」などの意見が多数寄せられた。

 今回のイベントは、日本の焼肉関係団体や地域などが行ったどのイベントよりも、規模的には大きかった。BSE問題発生という厳しい時期に、多くの後援や協賛企業を募り、これだけのイベントを組めたことで、学ぶことも多かった。

―今後、改善すべき点は。

 一つひとつあげればきりがないが、初めてやったということもあり、全体的に詰めが甘かった。たとえば、スクラッチカードや応募券などの数が不足し、参加店に多大な迷惑をかけてしまった。また、諸々の事情はあったにせよ、企画準備段階での歌い文句に一貫性がなく、イベントや企画に影響を及ぼした。

 こうしたリスク管理面では今後改善すべき点が多い。また、広報活動の大切さも痛感した。

―このようなイベントは続けるのか。

 焼肉店を経営する同胞からの要望があれば、これからも続けていく。

 また今回、こうしたイベントを組んだことで、商工連、ひいては総聯組織が同胞のために何をすべきなのかという、モデルケースを提示できたのではないかと思う。

 つまり、同胞のニーズにスピーディーに応えていくということだ。

 フェスタに参加した同胞からも、「久しぶりに組織のありがたさを実感した」「やっとパチンコだけではなく、焼肉にも目を向けてくれた」などの意見が寄せられた。また今回のイベントを通じて、商工会同士の横のつながり、連携がかなり強化され、今後商工会の仕事をしていくうえで大きなプラスになった。

 今回のイベントは、いわば種をまいたようなもの。今からがスタートだと思い、さまざまな取り組みをしていきたい。(李松鶴記者)

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