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6.15共同宣言の発表から2年が過ぎた。当時の状況を振り返ると、発表を前にして5月、金正日総書記が訪中、江沢民・中国共産党総書記と会談。また発表後、7月にロシアのプーチン大統領が訪朝した。10月には金正日総書記の特使が訪米、国交樹立を明記した共同コミュニケに調印。またオルブライト国務長官も訪朝し総書記と会見した。まさに朝鮮半島は大きく動いた
▼共同宣言そのものは、朝鮮民族の生活も根本的に変えた。このことを否定できる者はいないだろう。その源泉は、いうまでもなく民族の力を合わせた自主統一の確認、表明にある ▼9日、2周年を記念して兵庫の総聯、民団本部が南の尚志大学総長、姜萬吉氏(歴史学者)の講演会を共催した。本紙でも詳報したが、金大中大統領に随行して6.15共同宣言の発表を目の当たりにした姜学長は「外勢の干渉、半世紀以上続いた制度の違いを考える時、統一への道のりは長いだろうが、知恵を集めて外勢の干渉に打ち勝つ民族共助体制を築いていくべきだ」と力説した ▼一昔前なら、総聯と民団が共同で統一をテーマにした催し物を開くなど考えられなかった。今回、両本部は6.15宣言の精神はむろん、同胞生活の安定と民族性を守っていくための対策をともに模索していくことをうたった合意文も発表した。いずれも在日同胞社会において切迫した事柄である ▼兵庫の今回の取り組みは、一歩に過ぎないのかも知れない。しかし、大きな一歩である。こうした一歩を積み重ねていけば、必ず統一という大河にたどり着く。(彦) |