春・夏・秋・冬

 「大統領選挙の前哨戦」として注目された南朝鮮の地方選挙。6.15共同宣言の事実上の白紙化を叫ぶ、李会昌率いるハンナラ党が16の主要市長・道知事選挙の内、11カ所で勝利、与党は4カ所に止まった。全232の首長選挙でも過半数に迫った。首長は大統領選挙で集票マシーンと化すだけに、与党は窮地に追い込まれた事になる

▼フランスの総選挙も保守の圧勝に終わった。事前予測では、大統領選挙で左派候補を競り落とし、決戦投票に進んだルベン率いる国民戦線の伸びを心配する向きが多かったが、とり越し苦労のようだった

▼ところで先日、海外事情に詳しい研究者だったか、日本のマスコミが欧州の政治勢力を表現する言葉としてよく使う「極右」という言葉に苦言を呈していた。詳しいことは記憶に定かではないが、「移民排斥」を唱える欧州の政治家が「極右」なら、戦前の朝鮮民族を人間扱いしなかった思考そのままの発言を繰り返す石原都知事こそ「極右」。なのになぜ、なんのレッテルも張られないのか

▼「三国人」「在日外国人犯罪者」、その暴動鎮圧のための自衛隊出動。これほどの敵意と憎しみに満ちた感情はどうすれば生まれてくるのか

▼一介の学者であっても批判が集中しかねない発言だが、彼は首都の最高責任者であり、この国の政治家がよく使いたがる主権在民、国民から選ばれた国会議員経験者。「ポスト小泉」まで取り沙汰される。鬼っ子扱いでは済まされない。(彦)

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