6.15 2周年民族統一大祝典

やはり同族 すぐ打ち解け歌合戦


 【平壌発=本社文聖姫記者】14、15の両日、金剛山で開催された6.15共同宣言発表2周年記念民族統一大祝典。統一世代である北と南、海外の若者たちの交流する姿が参加者の目を引いた。

「貴重な体験」

祝典では改めて民族同士力を合わせて6.15共同宣言を履行することが統一を早める道であることを確認した

 初日の14日。民族団合大会後、共同宣言発表から2年間の動きを追った共同写真展示会を見終わった参加者たちは、屋外で昼食をとった。北と南、海外の参加者たちが思い思いに仲間を見つけて食事をする。初めて会った者同士なのに、そんなことは微塵も感じさせない。

 そんななかで、目に付いたグループがあった。北と南、海外の若者たちのグループである。食事が終わるや南の青年が司会するなか、それぞれが自己紹介した後、にわか歌合戦が始まった。

 まずは在日朝鮮青年代表団が「われらの願い」。全員が知っている歌だけに、すぐに合唱になった。北側は、いま全土で広く歌われている「私たちは一つ」だ。南側は、ソウルから平壌まで列車に乗って行こうという「京義線に乗って」。そんな光景が2時間近くも続いた。

参加者らは「連帯」「連合」の2チームに分かれて綱引きやリレーを行い交流を深めた

 むろん同族だけに、意思疎通にはまったく困らない。北側の代表のなかからは、感極まって詩を詠む人も現れた。最後はみんなが歌える曲をということで、「朝鮮は一つだ」の合唱となった。

 林中に響く力強い歌声に、各所に散らばって食事をしていた人々もいつのまにか周りに寄ってきて見入っていた。

 朝大4年制教育科3年生の盧誠圭さん(21)は、「北の同世代だけでなく、南の同世代と話せたことは貴重な体験だ。統一気運が盛り上がっていることを肌で感じた」と語る。

分断の「厄払い」

 2日目の公演では、南の舞踊文化財に指定されているソウル大学のイ・エジュ教授が「分断による恨(ハン)を解こう」と、「サルプリ」(厄払い)の踊りを披露した。その舞台に朝大生たちが飛び入りで出演した。

 演目をすべて終えたリ教授は、「ご苦労様」と学生たちに駆け寄り、幾度も幾度も固い握手を交わしていた。

 「北と南、海外で思想と理念が違っても、分断の痛みは共通のものだ。その恨を解く舞台に参加できて光栄。早く統一しなければ」と思いを語る盧志元さん(20、3年生)。

教育の重要さ痛感

 米国から参加した宋ユラさんは17歳だ。8月から神学校(カレッジ)に通う。父は米国人、母は韓国人だ。ハングルは3年間、土曜日に3時間行われる民族学校で学んだ。「統一に対する熱い思いで一つになっている姿を見て感動した。涙が出た。将来は宣教師になるつもり。在米2世のなかにも統一に関心を持っている人は少なくない。彼らと手を携えていきたい」。

 母の宋星子さん(50)は、順福音サラン教会の牧師。「民族の団結が重要。政治・軍事的脅威を取り除き、朝鮮半島に平和をもたらさなければならない」「私たちは民族教育の重要さを痛感している。朝鮮料理を食べ、朝鮮語を話せなければ朝鮮人とはいえないと思う」。

 この言葉を隣で耳にしながらユラさんは、「私ももっと言葉がきちんと話せるように努力しなければ」と応じていた。

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