クロツラヘラサギの人工繁殖に成功

朝大教育学部2年 韓昌道さん


 韓昌道さんは朝大の「鳥類繁殖研究サークル」の一員。今回のシンポジウムでは、クロツラヘラサギの人工繁殖に関する研究成果をサークル代表として発表した。

 クロツラヘラサギは絶滅危惧種のひとつ。確認された個体数は世界で約950羽。人工繁殖に関する研究は、東京都多摩動物公園と朝鮮大学校との間で1987年から共同で始められた。87年に朝鮮からひな2羽を導入し朝鮮大学校で2年間飼育。その後多摩動物公園に移動し産卵。しかし導入した2羽ともメスだった。91年に朝鮮から再度ひな2羽を導入。96年、世界初の人工繁殖に成功。その後も研究を重ね、02年5月時点で13羽の人工繁殖に成功した。うち、12羽が多摩動物公園で、1羽が朝大で人工繁殖した。絶滅の危機にあるクロツラヘラサギの人工繁殖成功は、多摩動物公園についで世界2番目。学生グループとしてはもちろん世界初。

 東大の樋口教授は、「説明もわかりやすく、大変よかった。今後も研究を続けてほしい」とエールを送った。

 韓さんは「保護活動にかんするこの鳥の生態を研究することにより、ひいては長期的な視野で環境問題と自然保護問題をとらえることができるはず。アジア的な視点での研究の必要性を痛感した」と述べていた。

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