人・サラム・HUMAN

朝高生の目標であり続けたい

京都柔道団・孫光成団長


 京都柔道団を率いて16年目を迎えた孫光成団長。18年間の選手生活で、数多くの金メダルを手にした強者は、中学まで日本の学校に通い、中学2年から柔道を始めた。そして卒業後、知り合いの勧めで京都朝高に入学。

 練習中、一緒に汗を流す朝中生から「ソンベ」と慕わられ、妙に親近感を感じたことを今も忘れていない。「中学では決して味わうことができなかった。ほんま、温かい家庭的な雰囲気で練習に打ち込めました」。

 卒業後、2年間の修行を経て、21歳で染物工業を起こした。同時に柔道の練習も再開。以来、家業と柔道を両立させてきた。

 当初は仲間を集められず、2人きりの練習が続いた。そんな日が長く続くにつれ、やめようと思ったことも何回もあったとか。

 彼らの努力が実り、柔道団は7年前の在日本朝鮮人柔道選手権大会団体戦で3位に入賞。そして昨年、地元開催の同選手権で念願の団体戦初優勝。

 1つのこだわりがある。京都柔道団の試合には朝高、朝大出身者しか出さない。「朝高OBの柔道団である以上、朝高生らの目標となりたい」。

 現在、毎週土曜日、朝高生と合同練習を行っている。孫さんは、手ほどきする朝高生たちが柔道を通じて出会う人との交流を大切にしてほしいと願う。

 39歳。周囲には引退を勧める声もある。しかし、その考えはない。

 「アマチュアに引退の二文字はありません」。

庶民の作品が好き

刺繍家 中山富美子さん

 先日京都で開かれた「朝鮮半島のパヌジル(針仕事)・李玉禮と仲間たち展」に足を運んだ。場内に展示されたポジャギを見て、「本当にきれい。やはり伝統的なものだけあって、日本人が真似をするものとは全然違うんですね」「ステンドグラスみたいですばらしい」とため息をついた。

 ファッションデザイナーを経て、刺繍、パッチワーク、モラなど、広い分野の手芸家として活躍している。「モラ」は、パナマ本土の原住民、クナ族の民族衣装に使われる飾り布のこと。「モラ」に惹かれ、現地へ出向き、そこで現地の人と触れ合うことが、他の少数民族を訪ね歩く旅のきっかけともなった。1964年、京都市に「中山手芸研究所」を設立。毎年、京都、東京で個展を開催し、TV、雑誌、新聞でも作品を発表している。「それぞれの民族の特徴が生かされた、庶民の作品が好き」だという。

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