私たちのうた

柳春桃


運命

 配置票をもって外来治療室に向かう
 昨日の国軍負傷兵は姿を消し
 がらんとした部屋には戸惑う医者と看護婦
 病院の前庭に人民軍負傷兵をのせたジープが
 続々と押し寄せる

 担架の兵士 抱えられて入ってくる兵士
 一人でよろめきながら入ってくる兵士
 窓越しの光景は昨日の国軍とまったく同じ
 キラキラする軍帽の赤い星と汗の匂いが少し違
  うだけ
 医者と看護婦は少しも変わらない
 これが赤十字精神なのか?

 私たちの運命はこの日から一変した
 別離 死 監獄
 長い歳月の過酷な運命が待ち受けていた

 リュ・チュンド 1927年生まれ、ソウル女子医科大学卒。50年6月、朝鮮人民軍義勇軍として朝鮮戦争に参加。詩集「忘れ得ぬ人々」収録。

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