春・夏・秋・冬 |
8月から、住民一人一人に11桁の番号(住民票コード)をつけ、コンピューターで管理する「住民基本台帳ネットワークシステム」が開始される。99年の「改正住民基本台帳法」に基づくもので、氏名、性別、生年月日、住所などの個人情報が網羅される
▼これらの情報は1枚のICカードに収められ、住民票や健康保険証代わり、さらに将来的にはキャッシュカードやクレジットカードとの兼用も取り沙汰され、「夢のカード」だと喧伝されている。が、実際はそのうたい文句とは裏腹に、国家によるプライバシーの把握との危惧を抱く ▼先日、防衛庁が同庁に情報公開請求をした人たちの個人情報を一覧リストに作成し、同庁内の情報通信網で閲覧していた問題が明るみに出たが、その作成リストを見て驚いた ▼リストの1枚には請求した人間の「姓名、所属、住所、電話、連絡先、記事」の項目が、別の1枚には請求した人間の所属が「テレビ・ラジオ等」「新聞社」「市民オンブズマン」「外国人」「現職自衛官」「元自衛官」別にまとめられ、その後には「ア行」「カ行」「サ行」と続く。そしてあるリストは、さらに各項目を6つに細分化。友人のチェックもされていた ▼防衛庁、そして日本当局は野党などの追及の焦点だった「組織ぐるみ」を否定し、あくまで個人が行ったものだとして「軽微な処分」で落着させてしまった。今回の事件はあらゆる機会を通じて、各個人の情報が収集、リストアップされていることをあらためて知らしめた。しかし、氷山の一角に過ぎない点に怖さがある。(彦) |