閑話休題

女性が結婚しない理由

働き、子育てできる環境を!


 5月の総聯中央委19期2回会議で、強調されたことの1つに民族結婚の大切さがある。

 同胞結婚相談センターなどの頑張りや親の世代の強い危機感などを背景に、若い男女の出会いの場を設けるなどさまざまな試みが実を結びつつある。

 しかし、問題がないわけではない。ここに1つの驚がくすべき数字がある。厚労省が6月に発表した日本の人口動態統計によると、女性が生涯に産む平均の子供の数を示す「出生率」が、昨年は1.33と、戦後最低水準に達した、という。少子化傾向は過去30年間止まらず、公的年金、高齢者医療費の財政悪化は必至だと深刻な事態に立ち至っている。

 そこで女性たちがなぜ、これほどまでに子供を産まなくなったのか、という理由を専門家が分析している。「サンデー毎日」6月30日号によれば、第1には「適齢期」と呼ばれる世代の非婚化、晩婚化があげられる。「未婚のまま親と同居していれば、経済的に楽だし、身の回りの世話もしてくれる」というパラサイト世代の存在も指摘する。第2に、育児に一区切りがつく3歳程度までの子育てと、仕事の両立を支援する制度の立ち遅れだ。

 ほぼ同じような現象が同胞社会にあるように思う。今春、本紙で連載した「輝け働く女性たち」でも、共通の悩みが紹介されていた。「女性の場合、妊娠すると職場に居づらい。仕事か出産の二者択一を迫られる。職場復帰できる環境作りの方が大切だ」。豊かな同胞社会のためには女性が安心して働き、安心して結婚、子育てできる環境整備も欠かせない。(粉)

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