春・夏・秋・冬

 記者生活16年目にして、初めてマスゲームなるものを見た。それも大マスゲーム・芸術公演「アリラン」である。ある人は、「これまでのものと次元が違う」と言ったが、そのすごさに圧倒されているうちに、あっという間に時間が過ぎた

▼歌あり、踊りあり、サーカスあり、展開がスピーディーであきさせない。ラストシーンでは10万人の出演者が勢ぞろいしたため、大同江中洲の綾羅島に建つ巨大なメーデー・スタジアムが狭く思えたほどだ。滞在期間が少し長ければ、もう1度見たかった

▼そう思うのは何も筆者だけではないらしい。6月22日発の朝鮮中央通信によると、日を追うごとに鑑賞希望者が増えているという。これまで約200万人が観たそうだが、これには在日をはじめとする海外同胞、50数カ国から訪れた外国の代表団、観光客も含まれている

▼「アリラン」の上演期間が当初の6月29日から7月中旬までに延長された。鑑賞希望者が多いためという。外国の観光客もさることながら、これで朝鮮国内の人たちが1人でも多く見られる機会が増えたわけだ。平壌の人々は見られる機会も多いが、地方の人だとそうも行くまい。しかし、今度地方から首都を訪れる観客の便宜を図るため、「アリラン列車」が走るという

▼記者が観た日、平壌から車で30分ほどの黄海北道松林市に住む従妹が偶然、家族とともに観にきていた。地元の人によると、職場や企業ごとにツアーを組んで訪れる団体もあるという。出演者には申し訳ないが、より多くの人に見てもらえるようもっと延長してほしい。(姫)

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