人・サラム・HUMAN
「千の言葉より優しい響き」
アリランコンサート発起人代表・林光さん
6.15共同宣言発表2周年を記念して、14日、東京都内で開かれたアリランコンサートの発起人代表。
コンサートに先立つあいさつでは、過去を振り返る時、日本人は「贖罪と悔悟」の思いを朝鮮に抱くと述べ、アリランの響きは「千の言葉よりもやさしく、南北の架け橋となって強く胸を打つ」と語った。そして、「南のW杯サッカー競技場で歌われたアリランも北の大マスゲーム会場で歌われたアリランも、世界に和解と平和のメッセージとしてこだましている」と語り、聴衆の熱い拍手を浴びた。 社会・政治と音楽の問題を探求する行動的作曲家として知られる。 音楽家同士の交流を通じて朝鮮を身近に感じてきた。ベルリンに住む作曲家尹伊桑氏の「誕生75周年記念フェスティバル」が10年程前、東京で開かれたとき、発起人代表も務めた。 「直接存じ上げてはいなかったが、尹先生がベルリン大学作曲科教授時代に多くの日本人作曲家を育ててこられた。そのお礼をみんなでやりたかった」。統一を願い、音楽を通して民族への愛を追求する尹さんを深く尊敬する、とも。 朝鮮国立交響楽団の首席指揮者キム・ビョンファさんは、日本からの帰国者。かつて、東京で共に音楽を学んだ仲間だ。「彼は神戸育ちでね、わんぱく少年だった。とてもピアノがうまかった」と回想する。 南北の分断の現実に心を寄せながら「音楽が自由に通り抜けられるようになればいい」と願っている。 青春時代に戻ったよう 金剛山歌劇団米子公演実行委員長 李有史さん 「米子は遥かむかしの古代から、朝鮮半島とは人と文化の交流が盛んだったところ」と語るのは、金剛山歌劇団米子公演実行委員会委員長の李有史さん。先日、約2000人の観客を動員して米子公演の大成功を収めた。公演実現に向け、市内の総聯、民団系同胞はもちろん、どの団体にも属さない同胞や日本の市民らにも広く観劇を呼びかけた。「まるで青春時代に戻ったようだ」と李さんは笑う。公演実現に向けて苦労も多かったが、「かえって歌劇団にたくさんのエネルギーをもらったようだ」と話す。 昨年同歌劇団に入団した愛娘の千恵さんは、声楽家として活躍している。「娘を取られいてるんだから仕方ないでしょ」と言いながらも、内心まんざらでもなさそうだ。地元が生んだ「スター」が舞台に立つと、会場からは割れんばかりの拍手の嵐。李さんの苦労が吹き飛ぶ瞬間だった。 |