私たちのうた

許南麒


贈り物

 泥棒どもよ!
 いよいよお前らの希望通り
 この建物と
 この学校、
 寄りかかるだけで
 ギイと音をたてる机と
 教科書と、
 幼い子どもたちの絵と
 作文に
 大きな「のし」をつけて
 くれてやる

 学校を奪われ
 泣き叫ぶ生徒たちの涙と
 新たな屈辱に肩をふるわせる
 同胞たちの恨みの上に
 学校ぐらい大きな「のし」をつけて
 くれてやる

 泥棒どもよ!
 お前らの望みどおり
 この建物の
 瓦の一枚 一枚
 ガラスの一枚 一枚、
 長い間
 無学と文盲で
 苦しみ続けた
 その悔しさを晴らすために
 血と汗をかき集め
 建てたこの学校に、
 生涯 忘れやしない日、
 1949年9月8日と
 1949年10月19日の
 二つの日付を記してくれてやろう

 4年前までは「大日本帝国」、
 そして今は日本国の
 悪名高き泥棒どもよ、
 4年前までは植民地の奴隷の日々
 今やいわゆる「三国人」
 自分の国の言葉より日本語をうまく話す
 不幸なるこの地の人々が
 また母国語を知らず
 日本語だけを話す朝鮮人に育つ
 幼き子どもたちの哀れな心に
 全世界が目を向ける
 大きな「のし」をつけて
 くれてやろう

 悪名高き
 泥棒どもよ!
 さあ、準備はできたか
 受けとれ!

(1950年)(訳・全佳姫)

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