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ワールドカップが終わった。これほど夢中になってテレビを見たのはいつ以来だったろうか、と思うほど画面にひきつけられた1カ月だった。その最大の要因がベスト4にまで進出した南朝鮮の快進撃、大活躍にあったことはいうまでもない
▼準決勝の対ドイツ戦を前に、満面笑みをたたえた南朝鮮のサッカー通を自負するある関係者から、快進撃の「秘訣」について次のような話を聞かされた。「一言でいって、ヒディング監督の手腕。彼にできて歴代の南出身の監督にできなかったこと、すなわち高麗、延世というサッカー界の2大閥を排除して実力本位のチーム作りをしたことだ」。実力主義を貫き通したことが成功の要因だという。確かに今回のメンバーを見ると延世大学出身はゼロ、高麗大学は2人に過ぎない ▼「ことサッカーに限らず、当の本人たちよりも外野の騒がしいのが南の社会。長年、社会に根をはってきた因習を破るということは非常に困難なことだ。金大中政権が当初、機構改革を口にしながら、実行できなかったのはその象徴的な例だろう」と話は政治にもおよぶ ▼「政権が代われば代わったで、出ていった人間の後釜を狙って血筋・縁せき、地縁、人脈、学閥のあらゆる手段、方法を尽くして群がる。金大中政権は二の舞を避けようとしたが、結果的にその力の前に屈服してしまった」 ▼どこの社会でも新しいことにチャレンジしようとすれば、それなりの抵抗にあうことは世の常だ。しかしそのことに屈してしまえば前進はないということだろう。初志貫徹。(彦) |