春・夏・秋・冬

 「交戦発生当日は、操業許可を受けた漁船56隻がワタリガニ漁をしており、海軍艦艇6隻が統制していたが、10余隻の漁船が漁に夢中なあまり定められた作業区域を超えた」。MBC(韓国文化放送)記者は1日夜のニュースでこう伝えた。朝鮮西海上で起きた武力衝突事件のことである

▼延坪島漁民らに直接インタビューした内容を総合した結果、こうした結論に達したという。南朝鮮軍合同参謀本部の発表とはまるっきり正反対の内容だ。インターネット上にも、漁に参加したという匿名の漁民から、「ワタリガニ漁が不作で漁獲量が減ったため、集団で漁獲量の豊富な北方限界線(NLL)を越えたのが交戦の原因」との投稿が寄せられた

▼当事者である漁民が自ら否を認めているのに、なぜ南の軍は、人民軍側が「北方限界線」を越え先制射撃を加えたと、ウソの情報を流したのか。何とも解せない話だ

▼むしろ、北の方が「南朝鮮軍艦船の無謀な武力挑発」が原因としながら、「不意の交戦」によって双方に被害が出たと、客観的に報道している。北にとって、今回の交戦はまったく思いがけないもの。南や日本のマスコミが騒ぐように、サッカーW杯の時期を狙った計画的な出来事などでは決してない。しかも、それが南の漁民の証言によっても明らかにされたわけだ

▼それにしても、南朝鮮軍部の発表だけを鵜呑みにした日本のマスコミ報道には、怒りがこみあがってくる。「北=悪」という単純な思考回路でしか物事を判断しないでいると、いつか大きなしっぺ返しを受けるだろう。(聖)

日本語版TOPページ