人・サラム・HUMAN

「自分をちゃんと持ちたい」

「キッ―DNA」に出演・夫龍海さんと卞怜奈さん


 6日に行われたプルナ2000東京公演「キッ―DNA」は、多くの若者の心をつかむのに成功した。

 その原動力となったのが夫龍海さん(20)、卞怜奈さん(20)。2人とも日校出身で、学生会やサマースクールでウリマルに触れた程度だった。本格的に習い始めたのは1年ほど前からで、プルナ2000の公演に参加してからだ。

 夫さんはアボジとは別々に暮らす環境で、ほとんど民族を意識しないで成長した。卞さんは父が日本人、母が朝鮮人のダブル。「私がウリマルを必死に覚えているのを、父は静観、母はどちらかと言えば反対していましたが、この頃は『頑張れ』と言ってくれるようになりました」。

 常に、「自分が何ものであるか」に悩み、サマースクールで知り合った朝高生の「なんで、ウリマルしゃべれへんの」の何気ない一言に傷ついたこともあった。

 そんな2人をプルナの公演に引き込み、徹底してウリマルをしごいたのが、脚本・演出家の金智石さんだった。「もう死ぬほど、金さんが吹き込んでくれたテープを聞いて反復練習しました」「ちょっとでも気を抜くと例えば『何でイムミダーって下げるんだ』と怒鳴られますから、そりゃあ、必死でした」と夫さん。

 卞さんは「チョソンサラムの劇団で、ウリマルが飛び交う中で練習できるって、最高!」と微笑む。「自分をちゃんと持ち続ける」ことが、今もダブルで悩む人たちへの励ましになると語った。

チームプレイ大切に

闘球協会会長 金武正さん

 「ラグビーはコミュニケーション。チームプレイで団結力が発揮される」

 在日本朝鮮人闘球協会2002年度会長の金武正さん(53)は、過去に東京朝鮮中高級学校で5年ほどラグビーの指導にあたった。東京都在住。東京朝高ラグビー部後援会のメンバーはほとんどが教え子たちだ。

 金さんが朝高生らを指導していた頃は、まだ高体連への参加が認められず、日本の学校とは親善試合をする程度だった。生徒たちにとってその頃花園は、夢のまた夢。

 「時代は変わりました。地道な努力の積み重ねが身を結ぶということを、身を持って知らされました。今後も協会の機能をより高めて、発展させていかねばならないと思います」

 朝高は花園を、闘球団はクラブチーム全国大会での優勝を目標に、日々練習に励んでほしいというのが金さんの望みだ。

日本語版TOPページ