私たちのうた

姜舜


雑草

 来たりし電車を待ちながら
 口笛もむなしく
 ふと目にとめたあの草
 名も知らぬ雑草
 その雑草の頭には
 小さな小さな白い花

 山を切り崩し
 幾重にも積み上げた石垣―
 不毛の地平に
 雑草よ、お前はここに
 風に吹かれ降り立ったのか!
 死にそうになりながらも
 あきらめないお前
 冷たい岩に降りついた
 その日から芽生えたお前の闘魂
 何粒かの砂に寄りかかりながら
 足を踏ん張り岩に穴をあけ
 その決死の声が聞こえてくるようだ

 誰がお前を
 偶然の花と呼ぼうか
 誰がお前を
 みすぼらしい花といおうか
 たのもしい偉大な根っこよ
 命の賛歌を流浪の雑草と呼ぶものはいない

 小さな小さな白い花
 不屈の雑草、ああ君よ!

 カン・スン 「姜舜詩集」収録。(訳・全佳姫)

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