ひとつのハナ咲かせよう
6.15宣言発表2周年 兵庫コリアンユースフェスタ
6.15北南共同宣言発表2周年に際し、7日、神戸市の県中央労働センターで開催された「兵庫コリアンユースフェスタ〜ひとつのハナ(朝鮮語でひとつの意味。花にもかけている)を咲かせましょう」。県下の在日コリアン青年学生らの親ぼくと交流を深めるとともに、統一への思いを日本社会にもアピールしようと、在日本朝鮮青年同盟(朝青)兵庫県本部など在日コリアン青年学生6団体からなる「兵庫コリアン青年学生協議会」が主催した。南朝鮮からの留学生を含む県下のコリアン青年学生と日本市民、関係者ら130余人が参加し、「体験チャンゴ」など参加型のプログラムと、在日青年の声(パネルディスカッション)などを通じて、親ぼくと交流を深めながら民族のアイデンティティー、今後の在日コリアン社会について語り合った。
統一旗に寄せ書き
同協議会に参加しているのは、朝青兵庫、在日本朝鮮留学生同盟(留学同)兵庫地方本部、在日本大韓民国青年会(青年会)兵庫県地方本部、在日韓国青年連合(韓青連)兵庫地方協議会、在日韓国青年同盟(韓青)兵庫県本部、在日韓国学生同盟(韓学同)兵庫県本部の6団体。6.15共同宣言を支持し、参加団体間の親ぼくと交流、団結を深める目的で、所属団体、信条の違いを超えて2000年9月に結成された。 結成後、2カ月に1度の代表者会議開催、日本の歴史わい曲教科書を非難するアピールの発表、各種交流会などを行ってきた。活動内容と範囲をより拡大させた今回のフェスタは、総聯、民団本部、兵庫県、神戸市などが後援。日本市民と在日コリアンとの国際交流の一環ということで、神戸国際協力交流センターから助成金が支給された。 フェスタでは、主催者を代表して朝青本部の韓相哲委員長があいさつ。21世紀は祖国分断の歴史に幕を降ろし、民族が繁栄する新しい時代になるだろうと述べながら、そのためにわれわれはこうしたネットワークを通じて、青年学生らの力と知恵を結集し、祖国と民族、コリアン社会の「統一」と発展に寄与していこうと呼びかけた。 参加者らはその後、各団体の活動紹介コーナーを見て回ったり、チマ・チョゴリの試着・記念撮影、チャンゴなどを楽しんだ。統一旗への寄せ書きコーナーではそれぞれの統一への思いを書き込む姿が見られた。 民族キーワードに 2部では、「在日青年の声 21世紀の在日コリアン青年の可能性」と題し、各団体の代表がパネラーとなりディスカッションを行った。
まず、許勇虎さん(朝青)が、21世紀同胞社会の民族性と兵庫コリアン青年学生協議会の可能性について発言。民族性の希薄化を防ぐためには、 民族 をキーワードに、青年たちが民族の歴史と文化、言葉と文字を継承していけるよう運動を展開していかなければならないと強調した。 池栄二さん(青年会)は、ボクシングの洪昌守選手など、自らの力で道を切り開いて各分野で活躍している在日コリアン青年らを紹介した。朴正勲さん(韓青連)は人権回復など朝鮮半島と日本との間で残されている課題について、李鐘太さん(韓青)はコリアン青年学生の意欲と情熱で在日の明るい未来を切り開くことについて、金邦明さん(韓学同)は日本の社会の中でも在日コリアンとして生きていくための土台を築く必要性について、金朋美さん(留学同)は民族性が花咲く豊かな同胞社会について提言した。 アピール文を発表 また、6・15共同宣言の履行にともなう北と南の和解と協力・統一の実現、在日コリアン青年学生同士の交流の拡大、民族性とアイデンティティーの育成・確立――などをうたったアピール文を発表したほか、各団体が準備したサムルノリや歌などが披露された。 参加者らは最後に、「統一列車は走る」にあわせて輪になって踊ったほか、「われらの願い」を熱唱した。 閉会の辞を述べた青年会の金容浩会長は、「兵庫で咲かせたハナを全国に広めていこう」と指摘した。 参加者らは、「政治の理念を越え各団体がひとつの場に集い、民族と統一の問題、在日コリアン社会の未来について語り合えるようになったのも6.15共同宣言が発表されたからだ」(李日相さん=26=会社員、朝青)、「日本社会の中に埋もれている多くのコリアン青年学生たちをひとりでも多く探し出し、手を取り合って明るい未来を築いていきたい」(姜晃範さん=23=学生、韓青連)などと語っていた。(羅基哲記者) 一人ひとりの努力と行動で 京都の青年団体はシンポ 「京都ワンコリア青年学生ネットワーク」が6.15共同宣言2周年、7.4南北共同声明30周年を記念し7日に開いたシンポジウム「ウリ(われわれ)の過去、現在、未来〜」(京都会館)には、450人の同胞と日本市民が集まった。 同ネットワークは朝青、留学同、韓青、韓学同など府下4つの同胞青年団体がメンバー。00年12月31日にワンコリアカウントダウンイベントを共同開催。その後も数十回にわたって役員会を重ね、学習会や交流会を開き、信頼関係を培ってきた。 シンポでは康宗憲・韓国問題研究所所長、ノンフィクション作家の高賛侑氏、呉民学・朝鮮大学校講師をパネラーに迎え、統一朝鮮の未来像について語り合った。 康所長は、「ブッシュ米政権の強硬姿勢もあって軍事的な突発状況がいつ起きるか分からない」としたうえで「南北間で相手の価値観や制度を尊重しようという意識の変化が進んでいる。将来必ず統一できる」と述べた。また、高氏は「主体者か傍観者か、統一に向けて海外同胞の姿勢が問われている」と説き、呉講師は統一がもたらす経済効果についてデータをもって説明した。 シンポではアピール文が発表され、一人ひとりの行動と努力で戦争の脅威と自主統一の障害を退け、6.15共同宣言を履行していこうとの決意が表明された。 最後には皆で「白頭大幹」「われらの願い」を合唱した。 |