新世紀商工会創造運動(2002.7.1〜2003.3.31)

京都府商工会 業種別経営支援を強化

飲食業界ネットワーク構築へ


 今月1日から各地で一斉にスタートした「新世紀商工会創造運動」では、業種別経営支援の強化を図ることが課題の1つとして提起されている。京都府商工会ではその一環として3日に京都市内のホテルで「飲食業セミナー」を開いた。同地域では近日中に、「京都同胞フードビジネス協会(KFB)」を結成する予定。その説明も行われ、参加者の関心を集めた。

KFB(京都同胞フードビジネス協会)結成も間近

共存共栄圏図り地域に貢献

 この日のセミナーでは、KFB結成準備委員会の徐鐘現委員長が、協会結成の趣旨、事業内容などについて説明した。それによると、協会結成の目的は、府下の飲食業界全般におけるネットワークの構築を推し進め、飲食業界に携わる同胞が互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら共存共栄を図ることによって同胞社会、地域社会に貢献すること。

 事業内容としては、会員の修練と情報交換のために定例会を開催するほか、飲食業界全般のレベルアップに貢献する各種セミナーや研修旅行、民族の食文化をテーマとした各種イベントの企画・開催などが盛りこまれている。

 食材や物販品の共同販売・共同購買、会員の事業や取り扱う料理の共同宣伝なども行う。さらに、コンサルタントあっ旋など経営支援のための活動をはじめ、会員たちの経営改善・発展に寄与する方針。会報の発刊、IT(情報技術)を利用した情報発信も行っていく。

 府商工会では、今年1月に結成準備委員会を発足し、徐委員長をはじめ5人の同胞飲食店経営者、3人の商工会職員らで事業案を固めてきた。準備委員の中には、20代後半から30代初めの若手経営者も多く、斬新なアイデアが豊富に生み出されている。

 50人以上の入会を目標にしており、今回開いたセミナーも、KFBの活動内容と実践力をアピールし、多くの同胞に入会を促す機会となった。

 この日のセミナーでは、テレビ朝日で放映された焼肉店特集番組のビデオが放映されたほか、飲食店コンサルタントの押野見喜八郎氏(FSプランニング)が「混迷期を勝ち抜く経営とメニュー戦略」と題して講演した。

 押野見氏は、店舗コンセプトを「大晴れ型」「レジャー型」「リリース(開放)型」に分類。自店のコンセプトが味、価格、サービスなどと合致しなければならないと述べた。

 また、@「一芸」商品を作るA「新分野」へ切り込むB「機能」を変えるC「自家製、手作り」を志向するD「季節感」を盛り込むE「味の個性」を作り出すF「すぎる」がキーワードG「ビジュアル」で付加価値づくりH「新しい素材」を売るI「提供法」を変えるJ「演出」で売るK「率」より「高」で売りまくる――などの「商品開発おすすめ12項目」を紹介した。

ペイオフ時代の資産戦略など

金融情報セミナーも

 一方、府商工会は10日、「金融情勢セミナー」を京都市内のホテルで開いた。

 セミナーではまず、企業再建コンサルタントの真部敏巳氏が「金融機関から見た再建計画書作成のポイント」と題して講演。続いて、「ペイオフ時代の資産戦略」と題して講演し、財務体質を健全化させるためには、リストラ対象資産の割出し・検証をする必要があり、不採算不動産の活用・処分や固定化資産の流動化を図るべきだと指摘した。

 また、「自主再建成功へ―5つの重要ポイント」と題して講演した企業コンサルタントの河合保弘氏は、経営者は業務と財務のリストラを早急に進めなければならないなどと強調した。

 府商工会ではこうした活動を通じて、「新世紀商工会創造運動」の方針に沿って、業種別経営支援の強化を計画的に進めている。

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