民族サラン! 留学同フェスティバル (8月3日、森ノ宮ピロティーホールで)
我らはアリラン学生
民族性、言葉、魂、声…大切さ、ウリマルで伝えたい
8月3、4日の2日間、大阪で開催される「民族サラン! 留学同フェスティバル」(主催=同実行委、主管=留学同)。メインは、日本の大学、短大、専門学校に通う同胞学生300人が出演する、創作劇と文化公演「我らはアリラン学生」(3日、森ノ宮ピロティ―ホール)だ。昨年12月に行われ、好評だった東京公演に負けじと、夏休み返上で、各地とも練習に拍車をかけている。創作劇に出演する留学同東京の練習風景をのぞいた。
歴史、未来、統一 7月20日、午前10時。東京・巣鴨の総聯東京都本部講堂では「我らはアリラン学生」の出演者16人中、7人の主力メンバーが輪になって最後のセリフ合わせを行っていた。 留学同結成当時の50年前に埋められたタイムカプセルを見つけた、主人公の留学同某支部長とその仲間たち。「僕らも未来の留学同の後輩たちに送る手紙を書こう」という支部長の提案に賛同したメンバーは、未来に対する熱い思いを寄せる先輩たちのメッセージを読むうちに、「忘れていた大切なもの」に気付き始める――。劇の見どころは、「大切なもの」に気付いた彼らが、自分の思いをウリマル(朝鮮語)で表現する最後の場面だ。 優等生のソンエ役を演じる金香美さん(24、留学準備中)は、「私たち3、4世が代を継いで守っていかなければならない民族性や言葉、魂、声…その大切さを伝えたい。ウリマルで表現することで、出演者の思いがいっそう観客に伝わると思う」と意気込みを語る。 タイトルには、「100年の歴史を鮮やかに観せる『アリラン』公演のように、留学同の歴史と未来、統一を願う思いを表現したいとの学生たちの思いが込められている」(同実行委)。 仕上がりは順調 留学同東京支部では6月中旬にメンバーを募り、7月初めから本格的に練習を始めた。19日には同胞演出家の金智石さん(「プルナ2000」代表)を大阪から招き、指導も受けた。上半期の試験期間と重なったが、学業の合間を縫って練習に励むうちに徐々に息が合ってきたという。 主人公・ヨンファン役を務める金史隆さん(19、東洋大2年)は台本を通して、民族性の重要性を再認識した。 「自分自身、まだまだ民族の言葉や文化、歴史を学ぶ姿勢が足りないことを主人公から学んだ。同胞社会を代を継いで発展させていくために、今後もいっそう努力し、民族性を守っていきたい」 姜亜未さん(洗足学園学院大2年)は出演者の中で唯一、日本学校の出身だ。挑むのは、支部委員のヒャンミ役。ウリマルのセリフが多い役どころのため、朝鮮学校出身の他メンバーが読み方や発音などを丁寧に指導してきた。 「確かに大変だが、ウリマルを全然話せなかった頃に感じていた『母国語を話せない』という劣等感が消えていくのが心地良い。親身に教えてくれる友人たちへの信頼感も深まった」。 本番まで残すところ1週間。公演ではその他、大合唱(大阪、東海、京都、兵庫、九州、その他)、農楽舞(西東京、神奈川)、重唱(埼玉、中四国)、器楽演奏(東海)、挿入劇(京都)など、盛りだくさんの演目が披露される。「留学同の存在をより多くの人に知ってもらいたい」「代を継いで民族性を守っていきたい」との共通した思いを胸に、各地の練習も追い込み段階に入っている。(李明花記者) ※ ※ 8月3日(土)、午後5時開場、6時開演。大阪・森ノ宮ピロティ―ホール。チケット=前売学生1000円、一般1500円。当日共通2000円。中学生以下無料。4日(日)には、留学同各支部対抗の大運動会、焼肉パーティー、歌舞団公演その他、お楽しみ企画が満載の「民族サラン! 納涼マダン」が行われ、全国から集まった学生同士が交流を深める予定。問い合わせ=留学同中央(TEL 03・3818・6138、FAX 03・3818・5202、URL=http://wing.zero.ad.jp/~zbf10400/)まで。 |