世代を超えたハーモニー
1〜4世 民族性アピール
コンサートの演目は全部で12。各世代、各地域の同胞はコンサートを成功させるため日々練習を重ねてきた。 当日混声合唱を披露した、男声コーラス「サナイ」と女声コーラス「ソリ」は結成されてほぼ1年。月に3回、定期的に練習を行ってきた。「ソリ」のメンバーの中には、京都や兵庫から練習に通っている人もいる。「一人でも多くの同胞に朝鮮の歌を聞かせてあげたい」。これが両コーラスグループの抱負。 「イギョラ ONE KOREA」を歌った東阿女声コーラスのメンバーも、時間を惜しんで練習に励んできた。毎日集まることもできない状況で、メンバーらは歌をCDからテープに落とし、家事をしながら個人練習をしてきた。
「歌えば歌うほど歌への共感が増してきた」とは、コンサートを無事終えたメンバー全員の意見だ。 また今回、大阪朝鮮吹奏楽団の指揮をした高昌帥さん(31)は、大阪音楽大学作曲科を卒業した後数々の賞を受賞し、今年も第12回朝日作曲賞(吹奏楽)を受賞した。今回演奏された「われらの願い」も、高さんが編曲したそうだ。 朝鮮民謡を独唱した李康主ハルモニ(75)は、30年ほど東大阪に住んでいたよしみで、今回京都からわざわざ駆けつけ出演した。「本当はもう引退なんだけどね」と言いながらも、本番ではアンコールに応えるほどの熱唱ぶりだった。 1世のハラボジ、ハルモニたちの「黄金」コーラスも、これまで毎週欠かさず総聯生野西支部で熱心に練習してきた。 舞台で歌う姿は実に堂々としたもので、これまでの練習が自信になっていることをうかがわせた。朝鮮学校の子供らと手を取り合って歌う姿は、とても微笑ましかった。 「ひとつのハーモニー」を通じて、出演者らは世代を超えて心をひとつにした。民族性を守り、後代に伝えていこうというひとつの心で…。(松) |