食の安全意識高まる

日本フードサービス協会が調査


 BSE(いわゆる狂牛病)の発生や、偽装表示の発覚が相次ぎ、消費者の食の安全に対する関心が急激に高まっていることが、外食産業の業界団体、日本フードサービス協会が実施した意識調査で分かった。

 とくに素材や産地、生産方法の情報開示に対しての要望が強まっている。同協会では外食産業に対して調査結果を提供して、取り組みの強化を促すほか、支援措置も検討する。

 調査は2〜3月、首都圏と京阪神に住む18〜69歳の男女2000人を対象にインターネットによる調査などを元に集計した。

 それによると、昨年の外食産業全体の市場規模は前年を下回った。BSEの影響をはじめ社用接待や宴会需要の減少、個人消費の低迷、さらに客単価の下落などが主な理由。全体の客単価は前年比で96.2%と下落しているが、一方で食材のこだわりや高級感のある店づくりを志向し、客単価を高めに設定した店舗は人気を得ており、二極化の傾向もうかがえる。

 食や外食への意識については、「素材に徹底的にこだわったものを食べたい」という回答が54%と半年前の前回調査より17.1ポイントの大幅な伸びを示した。「産地、生産方法などの情報が知りたい」も48.2%と前回より6.9ポイント増で、安全へのこだわりが強まっている。

 また、「食べたい料理しか食べない」という回答は23.4%と6.9ポイント減り、健康のため、バランスにも配慮する姿勢がうかがえる。

 一方、同協会会員企業を対象とした外食産業市場動向調査の6月度分によると、ファミリーレストランの売上は全体で92%、客数94.8%、客単価97.1%と落ち込んだ。

 分野別にみると、洋風が93.7%、和風91.9%、中華90.7%とのきなみ低迷した。焼肉は79.3%と若干改善しつつあるが、まだ2割強のマイナスとなっている。

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