「朝鮮 日本 みんななかよく」
大阪ハナ・マトゥリ児童絵画展
センター1、2階の全スペースを使って展示された絵は6000点におよんだ。「花」をテーマにしたためか、どれも赤、ピンク、黄色など明るい色で描かれており、「祖国統一」「花 ハナ」「朝鮮 日本 みんななかよく」などのメッセージが添えられたものも多かった。 展示された作品は、昨年開催された、在日コリアンと大阪府民・市民親善交流フェスティバル「大阪ハナ・マトゥリ」に出品されたもの。「6.15共同宣言を支持し、民族の大和合のために力を尽くして真の日朝・日韓の友好親善・相互理解を推進していく」(同実行委)というフェスティバルの精神を、21世紀を担う子どもたちに伝えていこうと開催された。 27日のオープニングセレモニーでは、呉秀珍・総聯大阪府本部委員長、金昌植・民団大阪府地方本部団長、金福男・同展運営委員会代表、中川和雄・元大阪府知事をはじめとする各代表と大阪朝鮮第4初級、建国小、能勢・東郷小の各校児童代表がテープカットを行った。 続いて会場内のホールでは、上田正昭・京都大学名誉教授の記念講演、東郷小の児童、保護者らによるコンサートやゲームが行われた。また会場内には「おえかき広場」も設置され、多くの同胞、市民らでにぎわった。 作品を観覧していた日朝音楽芸術交流会の小笠原美都子会長は、「絵がとても明るく上手で、声も出ないほどすてき。この絵画展を通して手を取り合った在日コリアンと日本の子どもたちが大きくなっても変わらず手をつなぎ続けてほしい」と感想を述べた。 大阪・高槻第1中で教べんを取る伏見泰寛さん(44)は、「子どもたちの夢いっぱいの発想に心が洗われた。個性あふれる絵のようにそれぞれの違いを認め合うことで、差別や偏見のない豊かな社会を築いていくことができると思う」と語っていた。 なお展覧会の出展者には、全作品を網羅したCD―Rがプレゼントされる。昨年のフェスティバルからプロデュースを担当している画家の小山正さんが発案した。朝鮮の民画の研究家でもある小山さんは、自ら南朝鮮の学校を回り、1500点もの作品を得た。「当初は画集を作成する予定だったが、予想の2倍もの作品が集まったため、安くできるCDに変更した」。 1カ月近くかかり、全作品をデジカメで撮影。9月には完成予定で、府下の出展者はもちろん、南朝鮮にも持参し学校などを通して一人ひとりに届ける予定だ。「ハナ・マトゥリの心を在日コリアン、日本の子どもたちに引き継いでもらいたい」と小山さんは語る。 |