日朝国交促進国民協会創立2周年迎えパーティー

東北アの平和・安定のため関係改善へ今後も努力


 ブルネイで開かれた朝・日外相会談で局長級会談、赤十字会談の8月開催を合意するなど、朝・日関係に動きが見えてきた。その外相会談を目前にした7月29日、東京・千代田区の番町会館で日朝国交促進国民協会創立2周年記念パーティーが開かれた。村山富市会長(元首相)をはじめとする参加者らは、日朝国交交渉の再開、国交樹立の必要性をあらためて強調した。また、三木睦子副会長(三木武夫元首相夫人)が6月に訪朝した際、朝鮮から親善勲章を授与されたことも披露された。朝鮮対外文化連絡協会からは祝電が寄せられた。

研究会、訪朝団派遣

日朝国交正常化を願い乾杯する参加者

 日朝国交促進国民協会は、北南首脳の出会いと6.15共同宣言採択が実現した半月後の2000年7月に創立された。朝・日の国交樹立、国民世論を盛り上げることを目的とした民間団体で、政財界、学界、労働、女性、宗教界など各階層の人たちが網羅されている。

 国交正常化を促すために、研究会の開催や訪朝団の派遣、政府に対する提言などを行ってきた。今年6月には、立教大学の李鍾元氏、韓国尚志大学の徐東晩氏をゲストに招いてシンポジウム「北朝鮮問題と日本」を開催したほか、和田春樹事務局長(東大名誉教授)を団長とする第2次訪朝団を派遣した。

 この日のパーティーでは、そうした活動を踏まえ、今後も協会が日朝関係改善のために努力していくことで見解の一致を見た。

 来ひんとしてあいさつした総聯中央の徐萬述議長は、協会のメンバーが朝・日両国民間の交流と国交正常化のため、多くの努力を傾けてきたことに敬意を表した。

 一方で、21世紀を迎えた現在に至っても朝・日関係が未解決の問題として残されている点を残念に思うと指摘。ARF(アセアン地域フォーラム)の場での朝・日外相会談開催について触れ、「会談がひとつの契機になって、朝・日両国の善隣友好関係が1日も早く樹立されることを願う」と強調した。

協会の正しさ変わらぬ

 この日のパーティーには、日朝友好議員連盟に所属する国会議員らも参加した。

 「政治家として道を開くよう力を貯めている」(園田博之事務局長・自民党衆院議員)、「議員連盟の一角の中で少しでも役立ちたい」(福本潤一・公明党参院議員)、「村山元首相を先頭に困難を乗り越えて日朝間の課題解決を進めたい」(大畠章宏・民主党衆院議員)、「隣国としての当然の友好、植民地支配謝罪に向けて世論を高めていきたい」(穀田恵二・共産党衆院議員)などと、それぞれが日朝関係改善に今後も取り組んでいく意思を表明していた。

 この日、乾杯の音頭をとったのは国連事務次長などを歴任した明石康副会長。

 「日朝の正常化は並大抵のことではなく、課題解決もたやすくないが、こういった問題を解決してこそ真の意味での平和が訪れる。粘り強く活動するしかない。朝鮮との関係も必ず好転すると確信しており、当協会の正しさは変わらない。初心を貫徹すべく努力する」とあいさつした。

 三木副会長も、「昨年ぐらいに国交が正常化されると思ったが、前途多難だ。しかし、あきらめてはいない。6月に訪朝した際にも何とかなりそうな感じを受けた」と述べていた。(文聖姫記者)

所期の目的達成を

村山富市会長(元首相)

 当協会が創立されたのは、2000年6月に歴史的な南北首脳会談が実現した半月後の7月3日のことだ。遅くとも2002年のワールドカップ開催までには、日朝国交樹立を実現したいとの意気込みで発足した。

 しかし、その後の事態の進展は必ずしもいい状況ではない。ブッシュ米大統領が選出された後、米朝関係は良い方向に向かう状況にはなく、南北、日朝関係もとだえている。

 だが、ここへ来て、ARFで日朝外相会談開催の運びとなり、また南北閣僚級会談も日程にのぼるなど、動きが出てきている。

 この機会になんとか国交正常化を果たし、東北アジアの平和と安定をもたらすうえで日本が主体的役割を果たさねばならないと考える。困難や障害があっても、所期の目的を達成できるよう努めていきたい。

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