燃やせ「K(朝鮮)―1(1番)魂」

今年もサマースクール開催


 日本の中学、高校に通う同胞生徒(日校生)たちが集う毎年恒例のサマースクールが福岡(7月29〜31日)を皮切りに、神奈川、北関東(埼玉、茨城、群馬、栃木合同)、京都・滋賀、中・四国、千葉、東海・北信(8県合同)、兵庫、東京、大阪・奈良・和歌山の各ブロックに分かれて行われた。今年は単独、合同を合わせ全国12カ所で開催。残る西東京は22〜24日、山口・福岡は9月に開かれる。大阪・奈良・和歌山ブロック、中・四国ブロックの模様を紹介する。

大阪・奈良・和歌山(7〜9日)

「朝鮮の仲間が1番」、「2学期から本名」

 「燃やせ、K―1魂(スピリッツ)!〜その瞬間(とき)君は目をサマス」と題し7〜9日、滋賀・琵琶湖近江白浜で開催された大阪・奈良・和歌山ブロックのサマースクールには、200余人の日校在学同胞生徒、朝高生、朝大生、関係者らが集ったが、その大半が初参加だった。

 「K―1魂」という意味は、「朝鮮民族が第1、朝鮮の仲間が第1、団結したわれわれの力が第1、朝鮮は1つ」という意味が込められている。

 初日は、大阪朝鮮歌舞団の公演で開幕を宣言、民族文化を思う存分に味わった。中にはオッケチュムに興じる参加者もいた。

 夕方には、生徒たちが地域別に準備した朝鮮舞踊やサムルノリ、創作劇「レール」などの文化公演が催された。とくに創作劇は、日校生たちが日本社会の中で民族に目覚め、朝鮮人として生きていこうとする姿を描いたもので、観覧者らに共感と感銘を与えた。

 2日目には、「K―1魂」を育てようとの趣旨で、チャンゴや朝鮮舞踊、キムチ漬けなどの体験コーナー「K―1マスターズ」をはじめ、運動会に焼肉パーティー、弁論大会、キャンプファイヤーなどが行われた。とくに弁論大会では、各々の悩みや決意を告白。「これからは学生会活動に積極的に参加して、朝鮮人として胸を張って生きていきたい」「日本人のアボジ、朝鮮人のオモニ両方のルーツを学んでいきたい」「民族的差別を受けている人がいれば助けてあげたい」「2学期からは本名で学校に通いたい」などと語っていた。

 初参加の高愛子さん(高1、大阪)は、「当初は不安もあったが、同じ境遇にある人たちと接する過程で、不安も解消されていった。やっぱり同じ民族の仲間と交流するのが一番」と感想を述べていた。【朝青大阪・成耆晃】

中・四国(5〜7日)

「民族考えていきたい」、「第2の学校」

チャンゴを習う日校生ら(中四国ブロック)

 中・四国ブロックのサマースクール(5〜7日、岡山・少年自然の家)には、日校生、朝高生、日本学校教員、関係者ら120余人が参加した。

 「出会いと友情」「民族と未来」「同胞社会と学生会」のテーマで、参加者らはチマ・チョゴリの試着・記念撮影、朝鮮料理の試食、チャンゴなどの民族文化体験「コリアツアー」、展示会「在日朝鮮人の活躍」の見学などを通じて自民族にふれた。

 また、広島学生会と朝高生が出演した演劇では、日本学校に通う同胞生徒が、いかなる状況においても朝鮮人として生きていくべき必要性、正当性を訴えた。

 さらにキャンプファイヤーの後に行われた討論会では、キャンプファイヤーより熱い勢いで舞台に上がった参加者らが、サマースクールで新たな友だちを見つけられたことや、今後は朝鮮人であることを誇りに思って生きていきたいなどとそれぞれの思いを吐露していた。

 参加者らは、「今までは心のどこかで自分が朝鮮人であることを負い目に感じていた部分もあったが、これからは誇りを持って生きていきたい」(高2、女子、岡山)、「帰ったら友人に、朝鮮人であることを発表したい」(高3、女子、広島)、「これからの人生に大きな影響を与えてくれた。サマースクールは第2の学校のような存在。今年で最後なのが悔しい」(高3、男子、岡山)、「自分にとって民族とは何かということを考えさせられた。答えはまだ出せないが、これから見つけていきたい」(高2、男子、広島)などと感想を語っていた。【朝青岡山】

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