閑話休題
先生たちの奮闘
子供たちは大人の鏡
うだるような暑さの中行われた関東地方初級学校バスケットボール大会で、実行委員会事務局を務める友人が、黄緑色のパンフレットを渡してくれた。表紙も中身もすべて手作り。試合形式や体育館利用上の注意、対戦表などが記されていたのだが、そこに「ミニバスケットボール競技規則」、「審判をする上での注意」そして「現在審判資格取得者」などが事細かに記されているのに目を引かれた。
「審判の心得」では、「相手が幼い児童だけに、より熱心に審判をしよう。そのためにも自身がバスケットボールのルールを良く知っていなければならない」といった記述もある。朝鮮学校ではしばしば、経験者でなくとも教員がサークルの指導にあたることがある。先の友人も高校、大学と陸上部に所属した。卒業後、赴任先の朝鮮学校でバスケ部を受け持つことに。児童への責任感から手当たり次第バスケに関する知識と情報を集めた。そして、東京都ミニバスケットボール協会C級審判資格を取得。彼に続く形で、現在都内で3人の教員らが同資格を取得した。 「みんな元はサッカー部だったりするんですよね。これは誰かがさせてやったものじゃない。でも、子供のため、民族教育のためになると信じている」と彼は言う。彼が指導する東京第3初級はみごと優勝に輝いた。 「この子たちが高校生になってインターハイで成績を上げてくれたら良いと思う。今はその土台作り」。子供は大人の鏡ともいう。大人たちの頑張りは決して無駄ではない。彼にもまたそうした良き大人がいたことだろう。(潤) |