社会主義経済管理と実利保障

労働新聞論説


 労働新聞6日付に掲載された「社会主義経済管理と実利保障」と題する署名入り論説の要旨は次のとおり。

最小支出で最大利益

 党の構想と意図に従って経済建設を力強く促進し、この地に1日も早く社会主義経済強国を建設するためには、発展する現実に即して社会主義経済管理を絶えず改善し、完成させていかなければならない。

 社会経済の発展は主に経済管理をどう行うかにかかっている。たとえ、先進的な経済関係をうちたてたとしても、その管理・運営をうまく行えなければ、社会経済全般が正常な発展の道を歩むことができなくなる。問題は、変化する条件と環境に合わせて経済管理をより合理的に絶えず改善し、完成させていくところにある。

 経済管理を絶え間なく改善し、完成させていくことは、社会主義経済建設の合法則的要求である。

 人民大衆に自主的で創造的な物質生活を保障するための社会主義経済建設の過程は困難で複雑である。社会主義経済を発展させて絶え間なく高まる人民の物質的需要を円滑に満たすためには、国の経済的基盤と生産潜在力を合理的に、効果的に動員、利用するための新たな経済管理問題を解決しなければならない。

 こんにち、社会主義経済管理を改善し、完成させるうえで重要なことは、経済管理において提起されるすべての問題を最大の実利を保障する原則に基づいて解決していくことである。

 経済建設において実利を保障するということは、国のすべての人的・物的資源を合理的に利用して国の富強発展と人民の福祉増進に実質的に貢献するということを意味する。

 実利保障は社会主義経済管理の基本原則である。社会主義社会は、高度に組織化され、人民大衆のために仕える社会である。単に生産し、建設するのではなく、1つを生産し、建設するにしても実利を保障し、人民が実益を得るようにすることが社会主義経済管理において堅持すべき根本原則である。

 わが党はこんにち、人民に実益をもたらすことを経済管理においてもっとも重要な原則として掲げ、それを徹底的に具現することについて強調している。

 社会主義経済管理における実利保障は何よりも、社会主義経済制度の優位性を高く発揮させるための根本的保証である。

 社会主義経済制度の優位性は、集団主義に基づいているところにある。こうした優位性を経済建設で高く発揮させるためには、経済を実利主義の原則に基づいて管理、運営しなければならない。実利主義の原則を守れない経済管理は事実上、社会主義社会の本質的要求そのものを無視したも同じである。

 生産が全社会的規模で行われる社会主義経済建設において、その成果の要因は全面的に実利主義の原則に基づいて経済を管理、運営するところにある。

全社会的利益に貢献

 社会主義経済においては、人民の福祉増進、全社会的利益に貢献することが実利保障となる。

 すべての経済単位では、緊張した労力と設備、原料と資材などをあちこちに分散させたり、生産拠点を勝手に設けるのではなく、たとえ個別の単位では利益が大きくなくても、全社会的利益が保障され、全般的な国のきりもりに実益を与えなければならないとの観点をもって経済を管理しなければならない。国家的であれ、個別の単位であれ、実利を徹底的に保障するためには、国家の計画的経済管理原則を堅持して正しく具現し、国家の中央集権的、統一的指導を確固と保障しつつ、下部単位の創意性を高く発揮させる社会主義経済管理の原則を堅持しなければならない。

人民生活向上の保証

 社会主義経済管理における実利保障はまた、こんにちの難関を克服し、国の経済を活性化して人民生活を向上させるための重要な保証である。

 社会主義は歴史が短く、過渡的な性格を内包していることから、経済建設の過程で一時的な難関とあい路を経るようになる。そのうえ、社会主義建設が帝国主義者とのし烈な対決のなかで行われる。従って、予想だにしない事態を主導的に克服しながら国の経済を順調に発展させるためには、経済管理において実利保障を確固と堅持していかなければならない。

 国の経済を1日も早く活性化し、強力な国家経済力を固めて人民に豊かで文化的な生活を提供するたたかいは、実利の保障なくして考えられない。ましてや、帝国主義者による孤立・圧殺策動が常に強化され、われわれの経済建設が依然として苦しい条件下で進められているこんにちの現実は、いつにもまして社会主義経済管理において実利を徹底して保障することを求めている。

 科学技術的な計算や採算を無視して国と人民の利益に損害を与えながら生産と建設を行えば、それは結局、経済建設自体を台無しにすることになる。

 経済状況が苦しいときこそ、いっそう節約し、きりもりをきちんと行って浪費と無駄を極力省き、経済管理を具体的に行っていかなければならない。労力と資材、原料が緊張する状況のもと、科学技術を絶え間なく発展させ、少ない支出で最大の経済的利益を得る方向で経済管理を行っていくべきであり、人民の物資的需要を随時把握して実益が得られるように生産規模と能力を整え、非実利主義的生産システムと工程を大胆に排除しなければならない。困難で不足がちなときほど、少しずつ大切に使い、科学技術を重視して1で10、100をつくりだす者が経済管理における真の主人、真の愛国者である。社会的労働を合理的に構築し、勤労者の間で社会主義労働気風を確立して社会主義分配原則、ウォンによる統制、労働生産能力の向上などの経済槓杆(こうかん)を正しく利用してすべての部門、すべての単位で最大限実利を保障しなければならない。

党の経済政策の正当性

 われわれは、経済管理において実利を保障することが持つ重要性をしっかり認識し、経済管理でのあらゆる問題を実利主義の原則で解決する革命的気風を確立していかなければならない。

 経済管理において実利を保障するためには、経済管理でのすべての問題を革新的な眼目、発展的見地から見て対処しなければならない。

 活動家は、変化発展する現実の要求に合わせ、経済管理で改めるべきは大胆に改め、新たにつくらなければならないものは積極的につくりだして、社会主義経済管理方法を朝鮮式に独自に開拓していかなければならない。

 社会主義経済発展は、経済建設のすべての部門、単位での成果によって裏打ちされる。経済建設のすべての部門、すべての単位で生産と建設、企業の管理・運営をもっとも合理的に、経済的に行ってこそ、社会主義経済管理が全般的に活気を帯び歯車のようにかみ合って回るようになり、国家はもとより、個別の単位、各部門の経営活動が順調に進められる。

 そうしてこそ、全般的な生産的連係がなされて最大限増産し、節約しつつ国の経済的基盤をしっかり固めることができるし、各単位の経済活動がりっぱな実を結び、創意工夫をいっそう生かすことができる。

 すべての活動家は多かれ少なかれ、任された単位の管理運営を綿密に行って実効性を保つことで、どの部門、どの単位でも実利が確実に保障されるようにしなければならない。

 すべての活動家と勤労者は、わが党の革命的経済政策の正当性を深く認識し、社会主義の本質に即して最大の実利を保障することを基本にすえて経済管理でのすべての問題をクリアしていくことで、朝鮮式の社会主義経済管理の優位性を余すところなく発揮して社会主義経済強国をうちたてるうえで積極的に寄与しなければならない。
(朝鮮通信、中見出しは編集部)

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