8.15民族統一大会

引き続き民間交流拡大を

平壌、金剛山、そしてソウルでも


 【ソウル発=本社記者文光善、金志永】 光復節(祖国解放)57周年を迎えた8月15日、解放後初めてソウルで開催された北南共同による8.15行事、民族統一大会。アピール文を採択し、6.15共同宣言の旗印のもと、7000万民族の願いである国の自主的平和統一を成し遂げるため、民間レベルの共同行事を引き続き行っていくことで合意した。一方、行事の一環として、北南芸術家たちによる芸術公演、共同宣言を実現するための写真および美術展示会も開かれ、観覧者らは改めて共同宣言を履行し、統一を実現させることを確認した。

統一行事開催に南のマスコミも驚き

 北と南の統一運動団体では6.15共同宣言発表後、6.15と8.15に際して労働者、農民など各層別の各種共同の集いを催してきたが、そうした行事がソウルで初めて開かれることに、関係者らは大きな喜びを感じるとともに、共同宣言の生命力を感じていた。

 また、民族統一大会には多くの南の取材陣も集まっていた。南で光復節といえば、南のマスコミ陣は政府主催の慶祝行事と考えていることが少なくないため、この日にソウルで統一行事が行われたことに驚きを感じていたようだ。

 会場では、北側の歌「お会いできてうれしいです」が流れる中、南側代表団が北側代表団メンバーを大きな拍手で迎えた。その後、「アリラン」の歌が流れる中、大型の統一旗が掲揚された。

 これらはかつて平壌と金剛山で繰り返されてきたが、今回はソウルで再現されただけに、参加者も感無量の様子。共同宣言の履行を主張する北と南の代表による演説もソウルの大空に響いた。南のマスコミを通じてそれらの模様が報じられ、南の市民にも生の声が伝えられた。

 南の統一連帯常任代表の韓相烈牧師は、「あらゆる難関を乗り越え、民間レベルの共同の集いがソウルで開催されたこと自体が成功といえる。われわれは引き続き祖国統一の大行進の中で新しい歴史を刻んでいくつもりだ」と強調する。

 民間レベルの交流拡大は、平壌、そして金剛山から新たにソウルで宣言され、新たな段階へと発展していくだろう。

手をとり統一の道へ

歌と踊りによる芸術公演

南の代表団から大好評だった北側芸術団の公演

 15日午後、ソウル市内のシェラトン・ウォーカーヒルホテルで、北南芸術家たちによる芸術公演が開かれた。

 公演は北側芸術団の公演で幕を開けた。

 「北側は、伝統文化芸術を創造的に継承するためにこれまで大きな努力を傾けてきた。旋律に耳を傾け動作ひとつひとつを見るたびに、われわれはひとつであることを改めて確認することができるでしょう」。

 南側の司会者の言葉には、同族に対する親しみと情が込められていた。

 舞台では、「陽山道」「チェンガンチュム」「チャンゴチュム」などの民族舞踊、合唱「われわれはひとつ」など、民族的情緒あふれる演目が披露された。

 一方、国立オペラ団の「景福宮タリョン」で始まった南側芸術家たちの公演は、8.15行事の意義をよりいっそう強調するものとなった。

 昨年平壌で行われた8.15民族統一大祝典・北南共同公演に出演した歌手、李ジョンリョルさんは、「白頭山」という題名の歌2曲を熱唱。北と南でそれぞれ作られたもので、1曲は白頭山を「革命の故郷」と、もう1曲では「倒れることのない統一の旗」と表現した。

 フィナーレでは、同じく平壌の舞台で「アチムイスル(朝霧)」を熱唱したことのある歌手、安チファンさんが歌「同行」を披露。「われわれの小さな手、離すことのないように」「共に進もう、自主の道へと」と歌った時、舞台後ろのスクリーンには、平壌・順安飛行場で手を取り合う北南両首脳の映像が映し出された。また閣僚級会談で固い握手を交わす北南の代表、半世紀ぶりの再会を喜ぶ離散家族、そして今年の8.15民族統一大会に結びつく多種多様な交流事業などの模様が映し出されるたびに、会場からは大きな拍手がわいた。

 観覧者らは、新たな段階へと発展していく統一運動の志向を再確認するとともに、共同宣言を履行する道こそ、統一を早められる道であることを確信していた。

共同宣言の履行へ

統一写真・美術展示会

 民族統一大会では、6.15共同宣言を実現するための統一写真展示会と美術展示会も開催された。

 写真展示会には、北南両首脳の歴史的な平壌対面をはじめ、金正日総書記が南の各界人士と対面した際の写真(5点)が出品された。またこの2年間に行われた各種統一行事や、朝鮮半島の美しい自然風景などの写真が展示された。

 北側代表団の崔ギョングク・朝鮮写真家同盟中央委委員長は「統一をテーマにした南側の作品を見ると、彼らの熱意を感じることができる。北と南の写真家も力を合わせて6.15共同宣言の精神に沿って、統一運動を盛り上げ後押ししていくべきだ」と語っていた。

 一方、美術展示会には、北側で国宝に指定されている朝鮮画「降仙の夕焼け」(人民芸術家・鄭永万作)、油絵「白頭山」(人民芸術家・崔河沢作)などの朝鮮美術博物館所蔵品10点をはじめとする100余点が出品された。

 北と南が出品した写真、美術作品は、共同宣言の正当性と生活力を示すとともに、民族同士力を合わせてまい進する時、統一の活路が切り開かれることを示していた。

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