春・夏・秋・冬

 金正日総書記がロシア・極東地域訪問へと出発した。その目的についてはさまざまな憶測、解釈が飛び交っているが、確かなことは朝鮮解放57周年に際してプーチン大統領と交わした祝電のなかに指摘されているように、昨年のロシア訪問を機に「新たな段階に入った両国の友好協力関係」がさらに発展していることを見せつけるものだということだ

▼コリアウォッチャーといわれる人々の間では、共産党大会前後の訪中説も取り沙汰されている。そして、10月頃のソウル訪問も

▼後者の説の火元はハンナラ党である。今月9日に明らかになった同党企画委員会作成の報告書で、「青瓦台(大統領府)、統一部、国防部、国家情報院など関係省庁の情報を総合すると、金委員長が任期末で立場が弱くなった金大中大統領と新千年民主党を支援するという名目で、現政権から確保できるすべての実利を得るため、訪問する可能性がいつにも増して高くなっている」と分析した

▼全力を年末の大統領選挙勝利に傾けているハンナラ党らしい見方だ。そしてその根拠として、「南北閣僚級会談実務接触で論議された鉄道連結、開城工業団地建設、金剛山陸路観光、軍事的信頼構築など主要懸案の大部分が、南北首脳の合意が必要な問題」だからだという

▼むろん、こうした分析、予測が的中してくれることに異論はないが、その奥には「だから、6.15共同宣言の実践に拍車をかけるソウル訪問は困る」という本音が潜んでいる。しかし、8.15民族統一大会が象徴しているように、その流れは押し戻せない。(彦)

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