投稿
許し難い民族金融機関抹殺策動
日本政府当局は近畿地方のミレ(大阪市)、兵庫ひまわり(神戸市)、京滋(京都市)の3信用組合に対し、公的資金投入の条件として、同胞組合員たちの総意で選ばれた従来の朝鮮人理事長を無理やり退任させ、「日本人理事長」を就任させるという許し難い強圧的措置を取った。これは、民族金融機関としての性格を弱め、事実上その存在を抹殺しようとする暴挙だといわざるをえない。
総聯結成後、こんにちまで祖国の統一と在日同胞たちの諸権利獲得、よう護に携わってきた者の一人として、今回の措置はとうてい容認できるものではない。 ◇ ◇ バブル経済崩壊後、日本の経済情勢が悪化するなか、信用組合を含む多くの金融機関が破たんした。朝銀も例外ではなく、破たんに至った経緯は、日本の信用組合のそれと変わらない。しかし、日本の一部政治家とマスコミは、破たんした朝銀に対してだけ事実を誇張、ねつ造し、ひぼう・中傷を繰り返してきた。 例えば、「朝銀問題を考える超党派の会」に属する国会議員たちは、「不正融資」や「送金疑惑」をうんぬんしながら、「日本の国益を考えると朝銀を解散させることが最も妥当」とする決議まで行った。国会のある委員会でも、「朝銀を解散させろ」という発言が飛び出したという。朝銀に対してだけ、この様な異常な攻撃が行われるのはなぜなのか。明らかに対朝鮮敵視政策の露骨な表れであり、総聯を抑圧しようとする政治的意図が背景にあるといわざるをえない。 ◇ ◇ 在日同胞はかつて、日本帝国主義の不法な植民地支配時代、強制的に日本に連れてこられた人々とその子孫である。祖国解放後、民族差別と敵視、弾圧という過酷な環境下、乏しい生計費のなかから身を削るようにして出資金を出し合い民族金融機関を設立し、互助精神を発揮して半世紀にわたり運営してきた。 一部組合が破たんした後も、出資金を集めて受け皿組合の設立に力を尽くしてきた。そして、その適格性が認められ、営業開始日を待つのみとなっていた。 しかし、日本政府当局はすでに認めた定款も役員人事もひっくりかえし、公的資金投入の前提条件として組合員たちの総意を無視し「日本人理事長」を強要したのである。 これは明白な民族的差別であり、不当な政治的意図の産物である。 ◇ ◇ 日本政府は、こんにちまで過去の植民地支配に対する謝罪と補償を行っていない。歴史的経緯と国際慣例に照らしても、在日同胞たちの正当な権利を認める法的、道義的責任がある。破たんした朝銀に対しても日本当局は差別せず、破たんした日本の信用組合と同じく対処すべきである。 私は、日本政府当局が将来に禍根を残さぬよう、速やかに「日本人理事長」という条件を撤回し、民族金融機関としてその運営を保証するよう強く求める。 いかなる力も、民族金融機関を守り、発展させようとする在日同胞たちの強い決意を妨げることはできない。(朴在一、都内在住) |