取材ノート

サマースクールは第2の学校


 日本の中学、高校に通う同胞生徒(日校生)たちが集うサマースクールが今年も各地で開催され、参加者たちはパネルディスカッションや討論会などを通じて悩みを語り合い、朝鮮人であることに誇りを感じて生きていこうとの思いを新たにした。

 恒例行事だけに参加者の多くがサマースクールを 第2の学校のような存在 と感じているようだ。

 「20歳になればアボジかオモニのどちらかの国籍を選択しなければならない」「学校で差別を受けたことはないが、歴史の授業や外国人登録を持っていることが気にかかっていた」「自分のアイデンティティーを見つけたい」「朝鮮人としての自覚を持つべきなのか」などと、日常生活で直面している問題を吐露し、そして答えを探していこうとする。

 最近、朝鮮学校には日本学校出身のアボジたちが増えている。ある学校では、アボジたちの3分の1は日本学校出身というところもあった。

 サマースクール参加を機に日校学生会、留学同、朝青活動などに参加し、そして結婚、子どもを民族の一員として立派に育てようと朝鮮学校に送るというケースが多い。大阪では最近、学生会、朝青活動を通じて知り合った2人がゴールインしたという話も耳にした。

 それだけに、サマースクールという場がいかに大切か、あらためて思う。

 民族性が薄れがちとよく言われる。確かに自民族について自覚していない、背を向けている人は多い。だからもっとそうした問題に、大きな力を注いでいくことがこれまで以上に重要だ。

 朝鮮学校を守る手段の1つとして、日校生活動の活性化・拡大をも視野に入れて幅をさらに広げていく必要もあるだろう。

 日校生たちの夏がまた1つ終わろうとしているが、彼ら彼女たちのかっ藤はまだまだ続く。(基)

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