山で元気!

大船山
(大分県、1786m)

大雨にもめげず、「青春」を謳歌


 年をとっても青春の炎が消えない限り永遠の若者と信じきっている朝日登山クラブの愉快な仲間は、大分県大船山に挑んだ。

 晴天の中、参加者15人は長者原登山口に着き、軽い準備運動をする。いよいよ登山開始という時「こんな良い天気、雨具はどうしますか?」と聞かれ、私をはじめ何人かはバスの中に雨具を置いていく。

 朝鮮民謡のテープを流しながら軽快なリズムに合わせ歩き出だした。「アリ、アリラン、スリ、スリラン…」の歌声が緑の草原に鳴り響く。一列に隊をつくり、行進する仲間の後姿は、映画「誰がために鐘は鳴る」(原作ヘミングウェイ)のパルチザンみたいに勇ましくカッコよかった。それから2時間、新緑の原生林をくぐり抜け、坊がつるにきた時は、仲間全員の顔はもう永遠の若者に変身していた。ここで休憩と食事を取りすぐ出発。

 険しくて息苦しい道が続く。仲間の額からは汗が吹き出ている。それでも歯を食いしばり一歩一歩前に進み、九合目の段原に着いた。

 ミヤマキリシマが咲き乱れ、この世の果てかと思うほど素晴らしくきれいだった。出発して4時間あまり、とうとう大船山の頂上に達した。記念写真を撮りすぐ下山。しばらくすると、大粒の雨が「美男美女」たちに襲いかかる。頭からつま先までびしょびしょに濡れた体は冷え切り、疲れがいっぺんに倍増した。声を掛け合い、坊がつるまで一気に降りる。途中で5分休憩をとった以外は、下山することだけに専念した。

 雨風にうたれて3時間、長者原に着いたときは、仲間の着ていた服はもちろん下着までずぶぬれだった。温泉に入り体が温まると、みんな笑顔が戻った。女心と秋の空は変わりやすいと言うが、登山を始めて4年目に初めて体験した出来事だった。今日の登山はしんどかったけれど、「青春の炎」を心の中で燃やし続けることができた。(6月10日、朝日登山クラブ 沈成達)

 【コースとタイム】長者原〜雨が池〜坊がつる〜大船山、8時間

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