春・夏・秋・冬

 夏休みもあとわずか。それぞれに思い出を振り返っている頃だろう。夏といえば、思い浮かべるのが甲子園。だが、野球ばかりではない。高校生が独自のデザインでファッションを競う「ファッション甲子園」もあるという。東京新聞28日付では、そこに出展し、準優勝に輝いた女子高生3人を紹介していた

▼ファッションは専門外だったが、幼い頃から仲良しだった3人で何かをやってみたいと思ったのが応募の動機。だが、その作品は斬新なアイデアに満ちあふれていた。スナック菓子の袋を材料にしたのだ

▼帽子、ドレス、手袋、靴に至るまで、色とりどりの菓子袋をパッチワークのようにつなげて作ったそうだ。実際に写真を見ると、ポテトチップスなどの袋を丁寧に縫い合わせてある。使ったのは全部で50袋だったという。完成品を見れば「なるほど」と思うが、いざ自分でしてみよと言われても、こんな考えは絶対に浮かばない。「イマジネーションの素晴らしさ」と審査員から絶賛されたそうだが、この柔軟な発想には脱帽だ

▼何でもそうだが、最初から枠をはめてしまっては良い考えは浮かばない。「できっこない」「ありえない」と思うのは禁物だろう。菓子袋を生地にして服を作るなど、普通なら考えられないが、この高校生たちはそれをやってのけた

▼在日同胞社会でも、若い人たちの発想は柔軟だ。例えば、夏恒例の日校生たちのサマースクールを、サマスと略してしまう。読むと何だか今風に思えるから不思議だ。こうした柔軟な発想が、私たち総聯の活動にも求められている。(聖)

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