春・夏・秋・冬

 今日から13日まで開かれる「平壌国際映画祭」。2年に1回開かれるもので、今年で8回目を迎える。本紙平壌特派員が送ってきた現地の情報によると、マドンナが出演したミュージカル「エビータ」など2本のアカデミー賞受賞作品、日本の山田洋次監督の作品「家族」などが上映されるという。山田監督の作品は第7回の時に「学校4」が上映された。当時は山田監督自ら映画祭に参加し話題となった

▼ほかにも世界的に有名な中国の女優、コン・リーが出演する「きれいなお母さん」など日本でも話題となった作品が並ぶ。英国の「生の競技」は1966年のワールドカップで8強進出を果たした朝鮮サッカーチームの活躍を描いたもの。制作チームは平壌を訪れ当時の選手にもインタビューしたというから、興味深い。両国に国交があるからこそ実現したものだろう

▼このところの動きを見ていると、朝鮮が外に向けて積極的にアプローチしていることがうかがえる。「映画祭」でアカデミー賞受賞作を上映するのも、そのひとつの表われではないだろうか。市内の8カ所の映画館で作品が上映されるというから、一般の人々も 米国の歌手 マドンナを観ることになるわけだ

▼7月からの価格と給料変更に見るまでもなく、朝鮮が徐々に変わりつつあることは確かだ。だが、「それだけ経済が逼迫(ひっぱく)しているから」などと、日本にはどうもいじわるく見る向きがある

▼隣国の努力を、一度くらい素直に見てみてはどうだろう。いつまでも「色メガネ」で見ていては時代に乗り遅れる。(聖)

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