在日朝鮮学生少年芸術団を招請した「韓国青少年サラン会」金相賢理事長
(新千年民主党国会議員)に聞く

政府は民族教育支援すべき

交流続け共通文化創造を


 在日朝鮮学生少年芸術団の公演を主催した「韓国青少年サラン会」の金相賢理事長(新千年民主党国会議員、66歳)に、民族教育に対する感想などを聞いた。(文責・編集部)

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 ―朝鮮学校生徒たちが初めて南で公演した意義は。

 南の市民らに在日同胞の、総聯の民族教育を知らせる良い機会になった。チマ・チョゴリを切られた生徒らがその痛みを乗り越える舞踊「竜巻」が最も印象に残ったが、日本政府のひどい差別政策の中でも民族教育を成功させた朝鮮学校の歴史、また民族心を持った子どもたちを数多く育てた事実を、南の人々は誇らしく感じたことと思う。

 共に公演を主催した「韓国文化放送(MBC)」では公演に関するドキュメンタリー(22日放映予定)を作っているが、たいへんな反響が予想される。

 生徒たちの滞在中、劉仁鍾・ソウル市教育監、韓桂洙・全羅北道副知事、全州市が晩さんを開くなど、多くの先生方が芸術団を温かく迎えた。市民の反応もとても良かった。

 ―93年に南の国会議員として初めて、朝鮮大学校と朝鮮会館(総聯中央)を訪ねたそうだが、在日同胞が実施している民族教育に対する感想は。

 朝鮮大学校を見学しながら、総聯が同胞の子どもたちの民族教育を成功させ、しっかり根付かせていると感じた。

 60年代に対馬から北海道まで、40日間かけて日本各地を視察し調査内容をまとめた「在日韓国人実態報告書」を作成、88年には「在日韓国人100年史」を編さんした。調査を通じて痛感したことは、外国にいる同胞たちは言葉だけでは民族意識を育てられないこと、教育を通じてのみ民族意識を養えるということだった。

 韓国政府は同胞の民族教育を積極的に支援すべきだ。

 日本にいる同胞の子どもの多くが日本学校に通っていると聞く。より多くの子どもたちに民族教育を施すためには、民族団体である総聯、民団が互いに補完する思いで若い人たちの民族意識を育てるのに全力を尽くすべきだ。この考えは総聯や民団の先生方にも直接話したことがある。

 38度線がある南北ですら互いに交流するのに、まして日本には38度線はないではないか。両団体が、海外にありながらも朝鮮半島の平和と南北統一の道を開く役割を果たしてくれるよう期待する。

 ―北南、海外僑胞の青少年交流の構想について聞かせてほしい。

 これからは休みを利用して南の子どもが日本に行ったり、在日同胞の子どもらがソウルや地方の都市を訪れホームステイできれば。そうしてこそ、1つの兄弟、1つの血筋であることを感じられよう。大人が100回演説するより、子ども同士生活を通じて民族の同質性を感じることができるだろう。

 空港で子どもたちの姿を初めて見た時、遠方に行っていた孫たちが帰ってきたようだった。子どもたちの表情が明るく愛らしい。その表情を見ていると民族の未来は明るく、私たちより子どもたちの世代がより良い世代になると感じた。

 子どもは民族の未来だ。この子らが交流を続けていけば、民族の共通の文化を創造できると確信している。

 経歴 1935年12月全羅南道長城生まれ。6〜8、14〜16代国会議員。8月の国会議員補欠選挙で再選。19歳で出会った金大中大統領と共に南の民主化実現に寄与。会長職を担う「大韓山岳連盟」代表として2000年10月に白頭山と妙香山、昨年2月に金剛山を訪れる。

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