共同通信社社長書面インタビュー

金正日総書記の回答


 金正日総書記は14日、日本の共同通信社の斎田一路社長に書面インタビューの回答を寄せた。その全文は次のとおり。

 あなたが小泉純一郎首相のわが国への訪問を控え、書面質問を寄せたことに謝意を表します。

 あなたが質問で提起した諸問題は、私と小泉首相との対面と会談で論議されるでしょうから、朝・日関係に関する問題についてのみ答えることにします。

 今、世界の耳目は朝鮮に集中しており、私と日本の小泉首相との対面と会談に非常に大きな関心が寄せられています。

 朝鮮と日本は地理的に近い国であり、歴史的にもはるか昔から互いに往来しながら関係を結んできました。

 しかし、この1世紀の間、朝・日関係は不和と対立により、極めて不正常な状態にありました。戦後、半世紀が過ぎても朝・日関係の不正常な関係が続いているのは、誰にとっても、どの面から見ても、百害あって一利なしです。朝・日関係を正常化し、両国間の善隣友好関係を発展させることは、両国人民の念願と利益に合うものであり、先送りすることのできない時代の要求となっています。

 朝・日両国は、同じアジアの国として、近くて遠い国ではなく、近くて近い隣国として、互いに仲良くし、共存共栄を図っていくべきです。これがわれわれの意志であり、一貫した立場です。

 不正常な朝・日関係を正常化することはこんにち、両国の政治家に負わされた歴史的使命です。人民の念願と利益のため、歴史の前に担っている崇高な使命を全うするため、責任ある政治家が大局的立場から決心し取り組むならば、両国間に解決できない問題はないはずです。

 近く小泉首相が平壌を訪問することになりますが、これは朝・日関係を正常化していくうえで画期的な契機となるでしょう。私は小泉首相のわが国への訪問を歓迎し、われわれの今回の出会いと会談が良い結実をもたらすと信じています。われわれは何としてでも、朝・日関係を改善しようという共通の意志と共同の努力で、両国関係の歴史に新しいページを開いていくべきです。

 朝・日関係を正常化するうえで解決すべき基本問題は、両国間に存在している忌まわしい過去をきれいに清算することです。まる1世紀にわたり積もり積もった恨みの歴史をそのままにしては、国交正常化を実現できず、善隣友好関係も樹立することができません。過去の清算のためには、日本によりわが人民が受けたあらゆる災難と被害を十分に考慮して誠実に謝罪し、補償問題も正しく解決しなければなりません。まさにこのような基本問題がいまだに解決されていないために両国関係は改善されず、そのためにさまざまな複雑な問題が生じたのです。

 今、大きくない問題をもって中傷し、互いに手足が縛られていますが、両国関係が改善され、相互の信頼が醸成されれば、これらの問題は容易に解決されるでしょう。

 朝・日関係の不正常な関係が改善されれば、日本の人々が憂慮している安保問題のようなものも問題となり得ないでしょう。日本の人々がわれわれの国防力強化に対し、神経をとがらせているようですが、われわれの国防力は徹頭徹尾、自衛の政策です。われわれの武装力は、われわれを侵害する者たちに対しては無慈悲ですが、侵害しない限り、われわれは決して誰にも武力行使しません。日本がわれわれを敵対視せず、友好的に対するならば、われわれの国防力強化について、少しも憂慮することはありません。

 終わりに、私に日本を訪問する意向があるのかという質問ですが、両国関係が正常化され、好ましく発展すれば、日本を訪問できない理由はないと思います。

 この機会に、日本人民に、平和と繁栄がもたらされることを願うという私のあいさつを伝えてくれるよう望みます。(朝鮮通信)

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