春・夏・秋・冬

 朝鮮半島の北と南、交流、協力事業が順調だ。5回目の離散家族・親せきの再会、南のテコンドー師範団の平壌訪問・エキシビション、韓国放送公社(KBS)交響楽団の公演。この一行には国会副議長、元統一部長官ら国会議員も同行している

▼18日には東海、西海側鉄道、道路の連結に向けた着工式が北と南側で同時に行われた。軍事境界線をまたぐ「歴史的な事業」だけにそれを後押し、保障するための7回目の軍事当局実務者会談が開かれ合意書を交換した。連結作業に向けた実務接触・第1回会議の合意書も採択された

▼南の政権が末期になると、次期大統領選挙を控えて対話は停滞、中断が余儀なくされるのが通例だったが、今回は違う。西海事件に対する北側の「遺憾表明」を受けた対話再開表明、6.15共同宣言の履行に向けた強い意思が、いまだ完全には払拭されていない不信感を徐々に取り除いていっているのだと思う

▼振りかえって見れば、北と南の対話は72年の7.4共同声明発表以来、30年近くも行われてきたが、軍事境界線は停戦という名の戦争の一時中断状態とともに現存する。対話の実りを手にするまでには、まだ時間がかかるかもしれない

▼それにしても、現実は冷徹過ぎる。朝・日平壌宣言という、近くて遠かった両国が、本来の近くて近い隣国になろうとして発表された歴史的文書。しかし、日本側が懸案として提起していた「拉致問題」…。犠牲者のめい福を心から祈るとともに、遺族に深い哀悼の意を表したい。当然、この問題の1日も早い真相の解明をもだ。(彦)

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